(1)NYのブロンクスから始まった「ラップ」(rap)音楽が今年で50年を迎えた。今や米国音楽界で「ロック」音楽を押えてトップ(報道)の地位を築いている。かってラップ音楽が日本に紹介された時に映画音楽でのスローバラードで聞く人の心を掴んでいた日本のミュージシャンが「ラップを音楽と認めない」発言をしていたが、日本でも若者中心にラップ音楽が主流になっている。
(2)音楽は五線譜にメロディ、リズム、ハーモニーの3要素という限られたドメイン(domain)でクラシック、ジャズ、ロック、フォーク(民族音楽)などなど様々な音楽のカテゴリー(category)で表現されてきた。
(3)音楽の要素として自然、生活から発生する音、メロディ、リズム、ハーモニーが進化したものが多く、坂本龍一さんも日常生活から出てくる「音」に興味、関心があっていろいろと録音していたことが紹介されている。
財津和夫さんはチューリップ解散にあたっては、やることはすべてやったことをあげているが、音楽の限られたドメインの中では進化、手法は無限にあるわけではない。
(4)メロディがいきつくところまでいけば(いっているかはわからないが)、リズムで変化、アレンジ(arrange)、アンサンブル(ensemble)、ハーモニー(harmony)をつける音楽革命になる。ラップ音楽は抑揚のない単調なメロディのくり返しをリズムの変化でアレンジして聞かせる音楽技法(method)だ。
(5)ビ・バップ(bebop)といわれるジャズの演奏技法で、ラップ音楽がジャズの本場米国から始まったのもうなずける。ラップ音楽50年でロック音楽をしのいで米音楽界のトップとなっているが、ロック音楽も1960年代のビートルズ革命を最後にメロディ、リズム、ハーモニーの音楽革命もまずは終わりをみせてから長く、ビ・バップのメリハリのある楽しいリズム革命の音楽全盛時代を迎えているのは残された道でもある。
(6)クラシック音楽は頭休めによく聞くが、ベートーベン、モーツアルト、ショパンが今も生きていたならどんな音楽革命を聞かせてくれるのだろうかと思うことがある。
ラップ音楽50年のリズム音楽史というのはまだまだ若く、クラシック音楽は何百年の音楽史があり、現代でのクラシック音楽から出てくる大きな音楽革命に期待する。