いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

習体制のほころび。 an open seam of Xi political power

2023-08-11 20:32:26 | 日記
 (1)習近平体制異例の3期目がスタートしたばかりの中国で、習主席の側近で固めた執行部の秦剛外相が1か月間余り行動が伝えられずに原因もわからないまま(非公表)解任された。一部には病気説、女性関係が原因と伝えられているが、中国の要人解任の定番であり真意のほどはわからない。

 (2)習独裁体制がスタートしたばかりで、習主席の側近の秦剛外相が解任されたことは習体制にとっては異例なことでマイナス効果はある。中国外交はウクライナ問題に南シナ、東シナ海で中国の海洋進出が対立を生んで米国とも外交、経済と覇権争いが続いて重要問題が山積しており、秦剛外相の就任早々の解任は痛手だ。

 (3)米国ブリンケン国務長官が6月に訪中して秦剛外相と会談して、それに応える形で秦剛外相も訪米する意向を示していただけに、米中首脳会談に向けて調整準備が加速している中での突如の秦剛外相の解任は意外で習主席の側近であっただけに米中の歩み寄りには影を差すことになった。

 (4)後任は中国外交トップで前任者の王毅氏が外相に復帰したが、王毅外相も年令的に引退時期を迎えており外交の継続性はあるが習体制3期目スタート早々の異変では中国外交の立て直しに迫られることになる。
 原因もわからずに秦剛外相が就任早々に解任されることが中国政府の不透明性を示すもので、習体制のほころび(an open seam)をみせることになり各国からの警戒感、不信感を増幅するものだ。

 (5)米中首脳会談でウクライナ軍事侵攻の露プーチン大統領の孤立を深めたいバイデン大統領としては後任の再登板の王毅外相をワシントンに招待して米中首脳会談、米中歩み寄りを実現したいところだ。
 習主席としては異例の3期目体制のスタートにあたって執行部を側近で固めて絶対権力体制を強いた矢先の秦剛外相の解任であり、原因も経過もわからずに伝えられずに中国はやはり何も変わらないとの国際的印象を強く与えるものとなった。

 (6)大きな誤算で中国が米国との覇権争いで外交、経済問題に重要課題を抱えて、前王毅外相時代にイラン、サウジの外交再開を仲介して存在感を示して外相の役割、仕事も大きいだけに、今回の秦剛外相の解任は当面は王毅外相の再登板で乗り切るとして今後の習絶対体制へのほころびの影響が国内、国外にどう広がるのか、広がらないのか注目するところだ。

 (7)側近政治は客観性がないので暴走する。中国はデフレ経済が進みインドの人口世界1位、GDPの追いあげも大きく、外交、経済でまったく影響がないということは考えられないのではないか。GDP世界2位の中国の異変として注目すべきだ。

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