(1)日米関税交渉は日本から赤沢経再相が訪米してこれに予定のないトランプ大統領も冒頭に登場して異例の会談展開になったが、交渉はさらに継続されることになった。4月中に2回目の交渉をすることが決まって赤沢氏は再度交渉のため訪米する意向で「渡米を念頭に日程調整している」といわれる。
(2)関税交渉は日本側から米国政府に対して適用除外を要請する立場にあり、再度赤沢氏が訪米するというのもいたし方のないことではあるが、日米関税交渉は日米首脳電話会談で決まったことであり、日米双方が政府高官の交渉担当を取り決めて協議することで合意したといわれる。
通常、2国間協議を継続的に進めるには双方が交互に訪れて協議をするのが通常の礼儀であり、日本側が関税適用除外を要請する立場にあるとはいえに日米首脳(電話)会談での合意レベルとなれば日本側から継続的に米国に赴いてばかりで交渉を進めるというのも2国間協議となればへりくだってばかりではつり合いがとれない。
(3)世界からみればトランプ大統領に対して日本側が多大な配慮をみせてへりくだって特別な優遇判断を求めるという姿に映り、外交交渉としてはおかしな手続きにみえる。赤沢氏が突如トランプ大統領と会談を持つことになって「格下の格下」発言があって、相手がトランプ大統領で立場上はそうであっても日本を代表しての日米交渉の担当者としては言う必要のない、意味のない発言だ。
(4)赤沢氏は日本側として言うべきことは言ったとしているが、交渉中で何を話し合ったかは言えないとしている。中国はトランプ大統領との異次元の関税のかけ合い、上乗せをしていたが、これ以上つき合えないとサジを投げた。EUは不思議な沈黙を通して関税の影響を推し測ろうとしているようだ。
日本だけがバタバタと担当者が訪米して関税撤廃要請の協議をしており、日本としては2国間協議の基本を維持して、対等で公平な(equal & impartial)相互協議を進める必要がある。外交交渉では日本の代表として相手国にへりくだってはならない。