(1)オミクロン株感染急拡大、最多更新の続く第6波の原因が、欧米国に比較して3回目ワクチン接種が遅れていることがあげられている。統計のある国で日本は現在最下位といわれて、国会でも岸田政権の取り組みの遅れに非難が集まっている。
(2)しかし、この傾向は昨年当初のワクチン接種の取り組みの遅れから想定されていたものだ。昨年の日本のワクチン接種体制、接種率は欧米国に遅れて開始し、ようやく昨年終盤に来て欧米なみに回復したといわれたが、2回目、3回目のブースター(booster)ワクチン接種は1回目から連続して打つことは健康上、安全上、副反応の懸念から打つことはできずに、1回目接種から一定期間(当初は10か月とか8か月とか期間)を置いて実施する、接種することが安全といわれていたので、その間にオミクロン株感染急拡大、パンデミックが起きて対策にワクチン接種が有効だといわれても欧米のようにブースター接種が出来る状況にはなかったことが原因だ。
(3)その後、1回目からの間隔期間を感染したオミクロン株の特性や欧米での臨床データなどの感染効果を考慮して政府もやっきになって1回目からのブースター接種の間隔期間を短縮して実施することを決定してようやく3回目のワクチン接種を開始した経緯が考えられて、世界的に3回目ワクチン接種回数が最下位といいうのも時宜的にやむを得ない事情もある。
(4)もちろん政府としてもそういう事情を考えたオミクロン株対策、対応を考え、実施しなければならなかったが、感染急減した昨年末にかけて医療ひっ迫解消のための病床数は確保したと発表されてはいたが受け身の対策であり、政府は経済社会活動を進めることに視点がいって3回目ワクチン接種が遅れることに効果的な対策が行き渡らなかった視野の狭さは指摘される。
(5)昨年から今年へのコロナ対策の一連の流れの必然的な遅れのリスク管理問題だが、自公連立政権継続の流れの中での問題でありどこの政府、政権の責任でもなく、自公連立政権一体となってのワクチン接種の遅れを取り戻す対策、対応をするしかない。
(6)1日の感染者が10万人を超えて緊急事態宣言が必要な事態だ。ワクチン接種が進みオミクロン株と共生し経済社会活動を進める世界の流れからは遅れているとしても、まずは国民の健康、安全、安心が優先、保障されなければならない政府の責任問題だ。