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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

トレイル・ストーリー。 trail story

2021-06-15 20:28:36 | 日記
 (1)コロナ・パンデミックの影響で1年延期された2020年東京五輪を聖火リレーからしっかり追っている人がいる。東京五輪公式映画監督の河瀬直美さんだ。カンヌ国際映画祭の審査員も務める国際的にも名の知れた日本の映画監督だが、新聞のコラムで「賛否が大きく分かれる東京2020大会。~余すところなく、その記録を刻んでゆく覚悟である」とつづっている。

 (2)コロナ社会での聖火リレーは3密回避で沿道での観覧、応援が規制されて、公道での聖火リレーも中止の自治体もあり、聖火ランナーとして予定の著名人の辞退も相次いでいうならただ粛々と国内世論ばかりではなく世界メディアからの五輪中止要請の合唱の中で、聖火ランナーはただ粛々と肩に批判の声を背負いながらの全国の聖火リレー中だ。

 (3)河瀬直美映画監督がその姿を追いかけながら、何をどう感じて、伝え、場面を切り取って表現、記録を刻もうとしているのか。東京五輪はたとえ中止になっても記録として公式映画はつくられるのか、「オリンピック史上間違いなく回顧される大きな転換の大会」(河瀬文)というなら何があっても何かがあればなおさらに、この東京五輪のあやふやなロードのみえない、行くのか行かないのかわからない道なき道のトレイル・ストーリー(trail story)の「現実」を記録、残さなければならない。

 (4)仮に、仮にも東京五輪が中止ということになれば、主賓(国民、アスリート)を迎えることがない、なくなった新国立競技場の大きな空間、時間、静かなたたずまい、陰影をどうなぐさめればいいのか、やはりここまで東京五輪を最後の最後になってまで追い詰めた都、組織委、政府、菅首相の優柔不断の責任は重く、カメラが思いを伝えるはずだ。

 (5)IOC、G7の五輪開催支持を背景に7月がどんなコロナ社会になっているのか、五輪開催によりどんな社会になるのかわからないが、海外客を断って無観客あるいは国内客を限定して開催するにしても、スタートの合図だけがむなしいようにこだまして、アスリートの息吹、汗、気迫、意志だけがモノクロのように時間が止まって手に取るように伝わり、感じられる東京五輪を目にする、経験するその記録を余すところなく刻んでゆく、切り取って表現していく河瀬直美公式映画監督の覚悟が、コラムに載せられた一枚の河瀨直美監督と撮影スタッフの写真から伝わってくる。

 (6)今、そういう人もいる。

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