いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

小市民的社会の1年。 a year in the petite bourgeoisie society

2016-12-30 20:35:42 | 日記
 (1)今年も小市民的国民意識(the petite bourgeoisie)が社会を支配した1年だった。明日は大晦日を迎えて108つの除夜の鐘で1年の厄払いをして新年を迎える。

 何百年以上も日本の伝統文化をそれぞれの時代の人々が伝えて、継承してきた年末の国民的恒例行事ではあるが、今、除夜の鐘も騒音問題として苦情が来ていると聞いて非常に驚かされる。

 (2)公共利益が個人の権利、利益を必要以上に制限する、規制する社会ではあるが、個人利益が何百年以上も続く日本の伝統文化の除夜の鐘を騒音として排除しようというのも考えさせられる。
 除夜の鐘は、その日、その時間に限った伝統行事であり、もちろんその時間にどうしても寝なければならない人もいるだろうし個人事情はあるのだろうが、年末恒例のその日、その時間だけ工夫できないものかとも思う。
 小市民的社会意識といえるものだ。

 (3)政治の世界も安倍政権の重要政治課題にことごとく国民の過半数が反対(世論調査)しながら、安倍内閣の支持率は50%を安定維持するというパラドックス政治(paradoxical politics)が続く。

 野党の力不足が影響しているものだが、目先をあまり考えない個人の利益優先の小市民的国民意識のなせるものだろう。

 (4)経済、景気では賃上げはあっても消費動向には結びつかずに、市場に出回り、残ったままの「カネ」の量が最高となり、将来への貯蓄に回っているのも小市民的社会意識のあらわれだ。

 (5)子どもの遊ぶ声がうるさいからと公園内への幼稚園建設に周辺住民が反対するという話もあった。公園の用途、目的を考えれば「騒ぎ」は一定程度覚悟しなければならないもので、個人の利益が公共利益に優るという小市民的現象である。

 (6)もちろん地震災害国日本で今年も広域熊本地震に見舞われて、年末には糸魚川大火も発生してそのたびに近所住民同士、ボランティアによる災害復興協力もある社会連帯意識も健在だ。

 日本人の本質がどこにあるのか性善説を唱えたいところでもあるが、今年もあと1日を残す。明日の除夜の鐘をどんな気持ちで迎えるのか。

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