いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

戦争と経済。 the war and economics

2016-12-29 20:17:46 | 日記
 (1)安倍首相がハワイ真珠湾を訪れてオバマ大統領とともにアリゾナ記念館で戦争犠牲者を慰霊した日に、日本では電通社長が長時間過重労働による社員の自死の責任を取って辞任の意向を表明した。

 日本は戦前の軍国主義政権のもと日本軍によるアジア侵略、植民地支配から欧米連合国との第二次世界大戦に突入した。
 軍拡路線とも経済戦争とも見られる中で、日本軍がハワイ真珠湾を一方的に急襲してこれが引き金となって1941年に米国を中心とする欧米連合軍との第二次世界大戦が始まった。

 (2)4年の戦争のあげくに、1945年に米国連合軍が沖縄に上陸侵攻し8月に広島と長崎に原爆が投下されて、昭和天皇が敗戦を宣告して第二次世界大戦は終結した。
 今年オバマ大統領は広島を慰霊訪問し、今また安倍首相は年末にハワイ真珠湾を慰霊訪問して相互に和解と不戦の誓いを表明した。

 (3)戦前の日本の軍拡路線とも経済戦争とも見られるアジア侵攻、植民地支配に対して、戦後の平和憲法のもとでの経済第一主義による高度経済成長社会を平和主義の成功のように主張する考えもあるが、高度経済成長社会は戦後の団塊世代をダイナミズム(dynamism)として絶対的な労働力を企業の歯車(モノ)として捉えて、機械のように過重労働を強いて矢尽き倒れれば次々と団塊世代の絶対的労働力で補うという過重循環労働社会であった。

 (4)当時も労働力の過労死はあったが、高度経済成長社会のもとにさして問題にもされずに、それは労働力が「モノ」として考えられて「弱い」労働力として淘汰されて、さらに「強い」ことが労働力として求められた時代でもあった。

 過酷労働に耐えられないことは、労働弱者として顧みられなかった時代だ。そういう日本経済の「原点」が今日的経済、企業社会でも「風土」として「信奉」(follow)され、重宝されて偏向ダイナミズムとなっている。

 (5)情報化時代、社会を迎えて、一時期、世界的、日本経済の産業構造変革の中で労働形態、理念の見直しが進んで、長時間働くことだけが有効ではない効率的な労働理論、理念も広く語られたことがあったが、長いデフレ不況の中で経済、企業利益が上がらない中で過酷競争がかっての労働力歯車(モノ)信奉を蘇(よみがえ)らせた。ないしは脈々と日本経済、企業倫理、論理を流れて持続していたということだ。

 (6)日本は第二次世界大戦の敗戦で多大な犠牲を払わされてきたが(まだまだそれは終わりを迎えたとはいえない)、戦後の平和主義のもとの経済、企業戦争でも国民は多大な「犠牲」を払わされてきた。

 28日、オバマ大統領と安倍首相はもうひとつの日米戦争の歴史点の真珠湾で和解と不戦の誓いを表明したが、日本ではその後の戦後の経済、企業戦争の「犠牲者」への責任として電通社長が辞任に追い込まれた。
 極めて流転としての人生観として、印象的な「1日」であった。

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