いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

トランプの壁とベルリンの壁。 a wall of trump and a wall of berlin

2016-12-12 20:03:52 | 日記
 (1)今年はオバマ米大統領が2期8年の政権を終えてあたらしい米大統領が選ばれる年なので、政治変革、変化の季節となることが考えられたが、それがこれまで政治経験のないトランプ次期米大統領の登場となって思いもよらない展開が現実のものとなった。

 トランプ次期大統領は選挙戦中からイスラム移民排除など過激な発言が注目されて、超保護主義思考の主張が既成政治に不満の白人マイノリティ層から高い支持を受けて、大方の予想を覆(くつがえ)して当選を果たした。

 (2)トランプ現象は91年「ベルリンの壁」(a wall of berlin)の崩壊に匹敵する政治変化の現象だ。
 当時の米ソ冷戦時代の思想主義対立の世界の中で共産、社会主義体制の統制計画経済が行き詰まりを迎えて、国民の不満、欲求を抑えきれずに米ソ対立の象徴であったベルリンの壁が市民群衆により打ち壊されて、ソ連邦の統治が崩壊した。

 その後唯一の覇権国家となった米国は石油エネルギー戦略としてアジア、中東への関与を強めてイランなどイスラム国との対立、確執を強めて、その宗教戦争がイスラム過激派、ISなど国際テロを誘発して、テロ戦争の時代を迎えた。

 (3)ベルリンの壁崩壊、ソ連邦の解体から25年が経過して、共産主義一党独裁国家の中国は自由貿易社会の市場経済原理も取り入れて経済成長により米国に次ぐGDP世界第2位の経済発展国となり、ソ連邦から分離したロシアは政治、軍事で国際的影響力を増して米国の存在が低下して、当時とは逆転現象(phenomenon of inversion)を引き起こしている。

 米ソ対立のベルリンの壁崩壊から25年経過して、今度はトランプ米次期大統領が「メキシコの壁」建設を主張するという歴史逆転現象でもある。

 (4)国民投票による英国のEU離脱決定により残留主張の当時キャメロン首相は辞任し、政権提案の憲法改正問題が国民投票で否決されてイタリアのレンツィ首相も辞任を表明し、EUをともに主導してきた仏オランド大統領は次期大統領選には出馬せずに独のメルケル首相の国内支持は低下して、ヨーロッパには極右政治勢力が台頭しトランプ現象の既成政治への不満、批判は世界的な潮流になっている。

 ブラジルの女性大統領は既得権益の偏向財政政策で国民の批判を浴びて弾劾裁判にかけられて職務停止中であり、韓国の同じく女性政治リーダーの朴大統領は政治の私物化で国民支持率4%の中で弾劾裁判にかけられて職務停止が決まった。

 (5)世界的に大きな政治変革の年、変化の節目の年になった。まもなく来日するロシア・プーチン大統領と安倍首相は北方4島返還問題で交渉、協議する。
 直近のメディアの元島民の調査では、北方4島一括返還にこだわらずに政府の方針の見直しを求めるもので、まずは2島返還を優先してその後残りの2島返還交渉を続ける意見が優位(報道)を占めた。

 プーチン大統領はかって「引き分け論」で2島返還を主張したこともあったが、近年はロシア極東地域の日露経済共同活動最優先を主張して、領土返還には否定的な態度が垣間見える。

 (6)2島返還からさらに残り2島返還のシナリオは、そうなるのか、かなり時間と労苦と根気が必要な気配だ。

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