いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

勝つには勝ったが。 undoubtedly won , but

2015-04-12 14:58:35 | 日記
 (1)AIロボットが将来人間の頭脳を超える可能性が憶測されている。AIロボットに人間が使われる時代が来るのか、複雑で単純には想像もできないが人工知能(AI)の研究開発は進んでいる。

 将棋のプロ棋士と将棋コンピュータソフトが団体戦で対戦する将棋電王戦が今年で3回目を迎えて、これまで2年間完敗を喫してきたプロ棋士側が初めて3勝2敗で勝ち越した。

 (2)そろそろプロ棋士側も将棋コンピュータソフトの対策研究にも取り組んでようやく成果が出たというところだ。解説によるとプロ棋士側が本来は必ず駒が成る手(角が龍に成るとか)でもあえて成らずに指して、これにソフト側が対応できないとか、あえて自陣に穴、隙をつくっておいてソフト側を巧みに誘い込み逆襲する作戦(詳しい局面は理解などできないが)に出たりして、最終局はプロ棋士の21手、わずか49分での完勝となった。

 (3)ここまでくると真っ向勝負というよりは将棋ソフトの欠点、欠陥を調べ尽くしての機能弱点を突くプロ棋士側の作戦勝ちという結果だった。だから人間の知能がAIソフトに勝(まさ)っていたという比較論でもない、プロ棋士と将棋コンピュータソフトの電王戦の意味、意義もよくわからないものとなっている。

 当初の目的、企画は高度なコンピュータソフト開発のための研究のための電王戦であったと記憶しているが、2年間はプロ棋士側が完敗したこともありプロ棋士と将棋ソフトのどちらが有能かの比較論になって、今年は「勝ち」にこだわったプロ棋士側の将棋ソフトの掟破りの裏をかく、機能弱点を突く作戦手法で面目を保ったのだ。

 (4)将棋ソフトに限ってのことならばソフトの対応問題、機能欠点があきらかとなって改善の余地は考えられるのだろうが、AIソフト全体の研究開発にどんな効果をもたらすのか系統図がよくわからない結果にもなった。

 AIソフトが現時点では人間知能の誘い水、落し穴(pitfall)に弱いとか、裏技にはまるとかの問題点はわかったが、本来のAI技術の目的、用途は人間が成し得ない究極の(ultimate)条件、環境での高い技術力、判断力、応用力、完成力の追求のはずだ。

 (5)プロ棋士側はたとえ負けて当然でも正攻法で対戦して将棋ソフトの機能制度、能力の確認、完成度を推し量るものが求められている。「勝ち、面目」にこだわる「流れ(current)」は将棋電王戦の目的、意義に影を落とすものだ。

 折しも福島第一原発事故現場では、放射線濃度の異常に高い原子炉格納容器内で作動中の調査用ロボットが突然停止して操作不能になったことが報道されて、調査は難航している。

 (6)遠隔操作用ロボットでAI技術、能力とはまだいかないが、人間が成し得ない条件、環境の中で人間に代わって作業するAI技術、能力の実用化研究が待たれる。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする