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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

天皇と安倍首相。 tenno and premier abe

2015-04-09 19:51:50 | 日記
 (1)天皇陛下の10年来のたっての願い(報道)で旧日本兵1万6千人が犠牲となった第2次世界大戦の激戦地パラオ(共和国)諸島を8日から天皇、皇后陛下が訪れている。昨日の出発の羽田空港では安倍首相が出席して出発式が行われた。

 天皇、皇后陛下を前に言葉を述べる安倍首相の映像がニュースで紹介されていた。天皇は世界大戦での戦死者への慰霊(take comfort in the soul of the dead)をこれまでも続けており、天皇の名のもとに戦場に赴き戦死した国民への思いのあらわれでもある。

 「過去のような戦争の惨禍が二度と起こらないよう、戦争や戦没者のことが戦争を直接知らない世代の人々に正しく伝えられていくことを心から願っています。(06年の天皇記者会見ー報道)」と述べている。

 (2)一方、出発式で天皇と対面して言葉を述べる安倍首相は憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使容認を閣議決定し、同盟国から攻撃された場合に海外戦域に自衛隊を派遣し戦闘に参加(後方支援)し、さらに今国会では安保法制を成立させて日本の国益に反する敵対行為に対しては世界どこへでも自衛隊を派遣(ペルシャ湾の機雷掃海など想定)する軍備拡大政策を推進している。

 映像では出発式あいさつで安倍首相をじっと見据える天皇の眼、心中にはいかようの「思い」がよぎっているのか心中を察するものがあった。

 (3)憲法上、天皇の国事行為は首相の助言にもとづくものに限られて政治とはかかわらない象徴天皇制であり面と向かって政治的発言などない天皇ではあるが、冒頭記者会見での「思い」からも平和憲法精神にそぐわない軍備拡大政策の安倍政権に対しては一言も二言もあるのではないのかと心中を察する。

 戦後70年にあたり談話を今夏に表明する安倍首相を前に、その年に念願のパラオ諸島慰霊訪問を実現しその出発式で安倍首相と対面して、言葉では安倍首相には直接言えない過去の戦争の誤りと反省を伝えたかった「思い」ではなかったのかと察するばかりの出発式での映像だった。
 映像では天皇の安倍首相への願い、思いが妙に伝わってきて、ある意味今の政治情勢からも意味深な出発式となった。

 (4)パラドックス(paradox)として、安倍首相の胸に去来するものは何だったのか聞いてみたいものだった。安倍首相とすれば国民の安全と生命と権利を守るための同盟国との共同軍事戦略、行動と主張するのだろうが、それならコンプライアンス(compliance)に欠ける憲法解釈の変更などではなく、「粛々」と憲法改正による国民合意の正式手順を踏むべきなのは必要なことだ。

 そう諭(さと)している(persuader)ような出発式での天皇の安倍首相をじっと見る眼であった。

 (5)何しろ天皇、皇后陛下のパラオ(共和国)諸島の慰霊訪問は、島内に適切な宿泊施設がなくて海保庁巡視船を改装して湾内海上宿泊でのパラオ慰霊訪問という天皇の特別の願いによるものだ。天皇の意思、気迫が伝わるものだった。

 軍事政権主導による世界大戦で一部に天皇戦争責任論もあった中で、天皇の名のもとに戦場に散った国民に対して言葉には出せなくても、戦争歴史の後を継いだ天皇として積年の「思い」はぬぐい去れなかったのではないのかの慰霊訪問と察する。

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