(1)5日に沖縄で行われた菅官房長官と翁長沖縄県知事の初めての会談は日米合意を背景にする官房長官と沖縄県の民意を背景とする知事がそれぞれの従来からの立場を主張して譲らずに、1時間の会談(報道)は物別れに終わった。
周辺住民に危険な普天間飛行場の固定化を避けるには辺野古移設以外にはないという「政府」と一度も沖縄から米軍基地を提供したことはなく、米軍、政府による強制接収による被害責任をさらに沖縄に押し付ける政府を非難する「沖縄県」との真っ向勝負の場となった。
(2)相容れない、譲れない事の重大性は「言葉」の端々までに及び、官房長官がこれまで辺野古移設工事を前知事の許認可にもとづいて「粛々」と行うのみと述べてきたことについて、翁長知事は「上から目線」と反発してそのたびに沖縄県民の心は離反していくと批判した。
翁長知事はこれまでの沖縄に米軍基地の70%以上が集中して沖縄に忍従を強いてきた政府の方針に対して、言葉の端々までとらえて強烈に反対の姿勢をあらわにしたものだ。
(3)今後も対話は継続することでは一致したということだが、政府が辺野古沖埋め立て工事を続行する中では沖縄の反目、反発が強まる一方で、とても歩み寄りなど期待もできない泥試合の可能性もある。
政府も対話を継続する意向があるならば、埋め立て工事を中止して解決策を話し合う以外にはない。翁長知事の要請で安倍首相との話し合いも検討されているようだが、踏み込んだものとはならない知事の要請に首相が自論を展開するルーティン(routine)に終始するだけだろう。
(4)イランの核協議交渉でも、枠組み合意がはかられたといわれながら、米国、イラン双方から発表された合意確認文書は交渉過程での双方の主張をそれぞれに都合よくとらえた文言(報道)のら列で合意などにはほど遠いものだった。
まるで北朝鮮が韓国政府筋と話し合うときの双方一方的な主張のくり返しを述べるだけであっという間に物別れに終わる様を見るようで、それでも同じテーブルにつくことが評価すべきことであり、要するに話し合い合意はこれからが本番、肝要ということだ。
(5)政府と沖縄もまったくこれと同じで、前途多難(the future looks very black)な話し合いの始りだ。翁長知事は政府の基地問題とパッケージの沖縄振興策は基地問題とはかかわらない別問題と述べており、今のところは解決の糸口はまったく見えない。
また沖縄が「代替案を持っているのか」という話を政府がすることは「政治の堕落」だと翁長知事は語ったといわれている。
政治の仕組み、権力構造から見ればその通りだが、それでは普天間飛行場の固定化が現実のものとなって問題解決をいつまでも遅らせることになるだけだろう。
(6)沖縄としてはこれ以上リスクを負いたくない立場にあるのはその通りだが、国民に素直に沖縄の考え、方法論(methodology)、選択肢を示すことも必要な伏魔殿(pandemonium)に陥った沖縄基地問題だ。
周辺住民に危険な普天間飛行場の固定化を避けるには辺野古移設以外にはないという「政府」と一度も沖縄から米軍基地を提供したことはなく、米軍、政府による強制接収による被害責任をさらに沖縄に押し付ける政府を非難する「沖縄県」との真っ向勝負の場となった。
(2)相容れない、譲れない事の重大性は「言葉」の端々までに及び、官房長官がこれまで辺野古移設工事を前知事の許認可にもとづいて「粛々」と行うのみと述べてきたことについて、翁長知事は「上から目線」と反発してそのたびに沖縄県民の心は離反していくと批判した。
翁長知事はこれまでの沖縄に米軍基地の70%以上が集中して沖縄に忍従を強いてきた政府の方針に対して、言葉の端々までとらえて強烈に反対の姿勢をあらわにしたものだ。
(3)今後も対話は継続することでは一致したということだが、政府が辺野古沖埋め立て工事を続行する中では沖縄の反目、反発が強まる一方で、とても歩み寄りなど期待もできない泥試合の可能性もある。
政府も対話を継続する意向があるならば、埋め立て工事を中止して解決策を話し合う以外にはない。翁長知事の要請で安倍首相との話し合いも検討されているようだが、踏み込んだものとはならない知事の要請に首相が自論を展開するルーティン(routine)に終始するだけだろう。
(4)イランの核協議交渉でも、枠組み合意がはかられたといわれながら、米国、イラン双方から発表された合意確認文書は交渉過程での双方の主張をそれぞれに都合よくとらえた文言(報道)のら列で合意などにはほど遠いものだった。
まるで北朝鮮が韓国政府筋と話し合うときの双方一方的な主張のくり返しを述べるだけであっという間に物別れに終わる様を見るようで、それでも同じテーブルにつくことが評価すべきことであり、要するに話し合い合意はこれからが本番、肝要ということだ。
(5)政府と沖縄もまったくこれと同じで、前途多難(the future looks very black)な話し合いの始りだ。翁長知事は政府の基地問題とパッケージの沖縄振興策は基地問題とはかかわらない別問題と述べており、今のところは解決の糸口はまったく見えない。
また沖縄が「代替案を持っているのか」という話を政府がすることは「政治の堕落」だと翁長知事は語ったといわれている。
政治の仕組み、権力構造から見ればその通りだが、それでは普天間飛行場の固定化が現実のものとなって問題解決をいつまでも遅らせることになるだけだろう。
(6)沖縄としてはこれ以上リスクを負いたくない立場にあるのはその通りだが、国民に素直に沖縄の考え、方法論(methodology)、選択肢を示すことも必要な伏魔殿(pandemonium)に陥った沖縄基地問題だ。