goo blog サービス終了のお知らせ 

いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

真反対の判決。 two of judical decisions had quite the opposite

2015-04-23 19:55:58 | 日記
 (1)鹿児島地裁は住民による川内原発の再稼働差し止めの仮処分申し立てを却下した。原規委の安全審査の新規制基準、地震、火山対策、避難計画などすべてに専門性知見が高いと全面的に認めて、住民の申し立てを却下した。

 先日の福井地裁による高浜原発再稼働の住民による差し止めの仮処分申し立てを認めた判断、判決とはすべてに渡って真反対の判断(two of judical decisions had quite the opposite)となった。

 (2)川内原発再稼働は、原規委による最初の安全審査合格を受けた原発であり、全国の原発再稼働容認の「先例仕様(precedent spec.)」となるもので地元議会も同意、承認しており、これまでの最高裁の1票の格差判決のように鹿児島地裁は行政判断にむやみに踏み込まずに配慮した判断を示した。

 原規委はこれまで原発の安全審査の合否は判断、判定するが、それが原発(再稼働)の安全性を保障するものではないと強調してきた。

 (3)鹿児島地裁は原規委の新規制基準、地震、火山対策は「最新の科学的知見に照らして、多数の専門家による合議体が審議し原規委が策定した」もので「不合理性は認められずに実効性を備えている」(報道)と全面的に原規委の安全審査を肯定してみせた。

 この判断過程では、原規委の「安全審査が原発の安全性を保障するものではない」という主張は顧(かえり)みられていない。
 原発地元議会が川内原発の再稼働を同意、承認していることも大きかったのではないのか。原発事業者には原発再稼働にあたって地元議会や住民への同意は義務付けられておらずに、地元自治体との協議に委(ゆだ)ねられている。

 (4)川内原発の再稼働では九電は地元議会の同意、承認だけを求めて地元住民には配慮を示さなかった。原発再稼働の危険と雇用、社会貢献の明暗を合わせ持つ地元住民にとってはどちらにせよ死活問題なだけに、住民の意思は原発事業者マインドの重要なファクターだ。

 九電が地元住民の同意を求めなかったことについて、司法の的確、適正な判断が必要だった。再稼働を急ぐあまりに複雑で困難な手続きを回避するようなことがあったとしたら、最悪原発被害の重要性についての認識が足りない事業者理念ということになる。

 (5)地裁による高浜原発と川内原発再稼働差し止め仮処分審査は「真反対」の司法判断となって、原発再稼働問題の「本質」がよくわかったのではないのか。どちらにせよ最高裁上告までの争いとなり、決着がはかられることになるのだろう。

 福井地裁の判決は原規委の専門審査性を否定する判断で専門外としての司法能力による判断に専門分野からの批判もあったが、「市民感情」を裁判審理に導入する現在の裁判員裁判制度の司法理念に添った判断としてありうるものである。

 (6)昨日の鹿児島地裁の川内原発再稼働の差し止め仮処分の却下はパラドックス(paradox)として原規委の専門審査性を専門外としての司法能力が安全審査の仕組み、構成だけを見て完全容認したものであり、原規委の「(これで)原発の安全性を保障するものではない」発言に明確に答えていない視点不足はある。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする