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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

非常時内閣のスタート。 starting over the emergency cabinet

2011-09-14 19:36:18 | 日記
 (1)震災復興、円高と内外に緊急政治課題を抱えた中で、民主党政権第3代首相を迎えての臨時国会が始まった。
 与野党共同責任、協調路線確立の国会運営で緊急課題対策に全力を挙げると思いきや、始まったと思ったらの野党反発の中でのわずか4日間の会期を強行採決した。

 内閣は党内融和第一で適材適所とはいかずに民主党国対委員長が自ら「今の内閣は不完全な状態で、十分な国会答弁ができない」(報道)と認める現状だ。緊急政治課題に全力で取り組む気概も気迫も使命も、自ら言うように能力も見えない政治状況だ。

 (2)緊急政治課題を前にしての臨時国会での首相の所信表明を第一面で報じない紙面もある。メディアから「新体制」の政治が早くも見放されることがあってはならずに、もっと期待を込めた紙面構成でもよかったのだ。もう、立ち止まることも不作為も許されない政治状況の緊迫感を伝えるべきであった。

 与党内の制度、組織も2年前の政治主導の政権交代時のものから組織編成替え中で、かっての自民党的手法に戻ったようなブレ後退が生じており、政策でもマニフェストの中止、見直し、後退の後遺症の中で、財源問題(増税論議)が浮かんでは消えて党の方針がまとまらずに、内閣は内閣で資質を問われる不適切発言が相次いで(辞任もあり)、その実力は見た目には同国対委員長が言うとおりの現実なのだろう。

 しかし、政治がその政治責任を負うのは国民に対してだ。この準備不足は何なのだろうか。首相が代表選で述べた決意は、党内融和には働いたが国民に向けた政治理念、姿勢にはつながっていない。

 (3)首相は所信表明のはじめに東日本大震災、福島原発事故への復興対応の重大性に時間を割き、先行きが見えないことを自ら認めて、内閣一体となって克服する決意は述べた。
 克服すべき政治課題として、①震災復旧、復興、②世界的経済危機(円高、企業の海外拠点化対策)、③財政再建(現世代で克服増税)、④社会保障、⑤外交、安保という基軸となる改革理念の見えない安全モードで、ねじれ国会を前提の与野党協力を呼びかけた。

 呼びかけた途端の会期4日間の強行採決という、言葉とは裏腹の準備不足、裏付けのない所信表明となった。

 (4)自信のないのは閣僚だけではない。首相も歩きながらのメディアの問いかけ(ぶら下がり会見)には一切応じない自己防衛の発信力の乏しい政治行動が目につく。
 通例の新内閣お手並み拝見の100日などあり得ない、立ち止まることも不作為も許されない緊急、重大な政治課題を前にした非常時首相、内閣(emergency cabinet)だ。まさか、「立ち止まらない」ことを具象化しているつもりでもあるまい。

 与野党協調が前提の政治体制の中での国会軽視の政治姿勢には、不安、不満がある。実行力をどういう形で、結果、実績として表現しようとするのか不透明、不確実なままの第3代非常時首相、内閣のスタート(starting over the emergency cabinet)だ。

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