いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

国際競争力ランキング。 global competitive power

2011-09-09 19:41:03 | 日記
 (1)今更、不思議がることもなく「国際競争力」ランキング(11~12年版世界経済フォーラム)で日本は前年の6位から9位に後退した。制度や財政、経済、教育など111項目による国際競争力の判定だ。
 国際的な経済開放基調、圧力、意向も見られるランキングだが、今後、東日本大震災によるダメージの判定によっては12~13年版ランキングではさらに降下することが見込まれる。

 900兆円を超える累積財政赤字に政治の混迷、円高、デフレ経済の低迷、雇用不安とくれば、国際競争力を持ちこたえることは不可能だ。ここ2~3年先までは、これに震災復興、原発事故、電力供給問題の影響が現実のものとなって国民投資(税金)に負担を強いる生活圧迫の時代を迎える。

 日本は、国際的に名誉ある地位を目指す(憲法前文)ものではあるが、政治、経済、社会のすべてが基本軸を見失って機能せずに「国家力」を失ってきた。それはそれで国家、国民の「現在力」として正しく認識すればいいことではある。
 世界経済フォーラムで殊更現実の値踏み(ランキング)を示されなくとも、国内問題として国民は現実感を持って国家力衰退をすでに捉えている。

 (2)問題はやはり政治、政治家の認識だ。政治の混迷、停滞が国内問題にとどまらずにその間に円高、国債格下げと日本評価が国際問題として外国からどう見られ、捉えられ、関係しようとしているのか、正しく認識しているのか、不透明で不安だ。
 相互関税撤廃で貿易自由化が主流のグローバル経済の中で日本は取り残され、TPP(交渉)参画も政治決断、国内調整の先送りで国際競争力のステージ参加の効果的な時期に乗り損ねている。日本の政治の置かれた国際競争力環境に対する現実認識の危機管理の不足、不備だ。

 (3)こういう現実の中で、民主党政調会長の米国講演での自衛隊の紛争を解決する手段に協力する海外派遣、武器使用基準の拡大、武器の輸出促進への発言だ。
 今の日本の国家力、憲法理念の中での武器の開発力、技術力の向上、防衛産業の発展を目指すことが正当なのか、必要なのか。
 覇権国家の世界戦略に組み込まれることが、日本の国際的に名誉ある地位を占めることではない。
 世界で唯一の被ばく国として、世界平和に貢献する役割、使命からは逆行する、現実を見ない政治感覚だ。憲法の精神からあまりにかけ離れた理念だ。

 覇権国家の米国も冒頭ランキングでは年々後退を重ねて今や5位だ。日本同様に高い失業率(10%)を抱えて国債格下げ、財政、国内経済に不安を抱えている。
 内向きになることだけでは、健全なグローバル社会を立て直すことにはならないが、まずは政治、経済、社会で停滞した国内問題の立て直しが急務で、そういう意味での国際競争力ランキングの活用、認識だろう。

 (4)この際、日本の国際的地位について政治、国民は比較正しく理解、検証すべきだ。民主党第2代首相の1年余りの不作為、方向転換の政治は、日本の国際競争力に多大なダメージを与えた時間だった。

 まず政治がすべきことは、時間のかかる震災復興は別にしても、一票の格差問題、議員の定数、報酬削減の上、総選挙で国民の判断を受けて震災復興、財政再建、経済安定に自信を持ってシフトする、取り組む体制づくりだ。
 その姿勢、評価がそれが国際的に名誉ある地位を占める日本のテーゼ(these)への道標だ。

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