いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

競走馬の純粋美学。 purity aesthetics of racing horse

2011-05-30 19:30:14 | 日記
 (1)久し振りにスカッとするすばらしいレースを見た。台風(のちに熱帯低気圧)の影響で雨の中での東京競馬場のダート(芝)コース2400メートルで行われた昨日の日本ダービー。
 馬体の軽い(444キロ)オルフェーヴルが両脇2頭に前方進路を挟まれるように3頭密着して一団となって並走する。小柄な分、オルフェーヴルは完全に両脇の2頭に馬体を制御されているように映るが、首から鼻先は2頭の間を懸命に割って入って譲らない冷静な落ち着いた雰囲気が伝わってくる。
 もたれるように3頭並走が続いたあと、ゴール前直線コースに入って満を持したように混走の間を割って抜けて、オルフェーヴルは両脇の2頭を置き去りにしてそのままギアチェンジのトップスピードに乗ってトップでインゴールした。
 今年4月の皐月賞(G1レース)に続く2冠を達成した。

 馬は、もちろん言葉を発しないが「寡黙」で、気性は激しくても仕草が攻撃的ではないひたむきさを感じる。眼がいつも前方下をみつめるように、「ひかえ目」なところがそう思わせる。

 そういう寡黙でひたむきな姿勢で2400メートルをギアチェンジしながら、まるで競走相手馬にやることやらしておいて実力を見極めるようにひたすら走り、ある時は我慢し、ある時は流れに乗って、勝負どころで相手を見切った実力の馬力をフルスロットル(full throttle)する縦横無尽だ。

 今レースのように小柄な馬体を両脇2頭に押さえ込まれるように挟まれて混走する「ドラマ」を見せて、一瞬のトップスピードで置き去りにするレース美学(racing aesthetics)を見せられては、非常に親近感を持たせるクレバーな競走馬オルフェーヴルだ。

 オルフェーヴルが見せた雨中の日本ダービーの主演ドラマは、幾重ものハンディを克服してそれに果敢に立ち向かう美学(aesthetics)を示して、結果として人生のパラダイム(paradigm)を見せたのではないのか。
 外は激しい雨模様であったが、久し振りに心の晴れる思いの3分弱の至福の時間であった。

 レースの売り上げは昨年比較20%減で、近年の競馬レース離れ(一時期が論外な過熱過多傾向であったと言うべきか)に経済停滞と東日本大震災の影響で大幅な落ち込みとなったが、そういう人間社会の思惑、賞金レースを超越した純粋美学(purity aesthetics of racing horse)を見せつけた。

 (2)被災地への支援金、義援金の自治体、被災者への支給が始まったが、被災自治体では支給対象を巡って試行錯誤が続くところもある。国民からの「善意」は、被災実態実情に合わせた公正で公平な透明性の高い周到な配分基準が求められる。
 少々時間がかかっても、災害マップの把握とそれに見合った支給対象、支給額の基準づくりと全額の流れの情報開示に努め、善意に応えたい。
 まずは自治体機能復旧の支援金活用だ。一部、未確認情報だが行き先のない義援金が支援活動機関内に滞(とどこお)っているなどということが仮にもあってはならない。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする