オールドゲーマーの、アーケードゲームとその周辺の記憶

コインマシンやギャンブルゲームやカジノの歴史的エピソードとか、時々カジノ旅行記とか、たまにスポーツやマンガとか。

新ラスベガス半生中継2019年G2Eショウ(3) DAY 2:G2Eショウその1

2019年11月03日 21時24分05秒 | 海外カジノ

【おことわり】年に何度もあるわけではない休日の仕事のために、今週の更新はごく簡単なものになってしまいそうです。なにとぞご了承ください。

昨夜は12時頃に床に就いた。この時点で30時間くらい連続で起きていた寝不足状態だったはずなのに、夜明け前の4時過ぎに覚醒してしまった。こういうことはラスベガスに来るとよくあるのだが、これがいわゆる時差ボケというものなのだろうか。小一時間ほど眠ろうと布団の中で努力したが眠れないので、諦めてカジノに降りてゲームをする。

6時過ぎ頃、念の為エル・コルテスにいるT本にLINEで連絡を入れてみると、T本も既に起きていたというので、メインストリートステーションに来させる。しばらく一緒にビデオポーカーを遊んでから、7時オープンの朝バフェに入って朝食。ラスベガスの朝バフェはどこも大したものは無いが、クック・ツー・オーダーのオムレツは食べる価値がある。ワタシはチーズを大盛りにしてもらった。


チーズ大盛りのオムレツ。下にあるのはカービングステーションで切ってもらったハム。皿の向こうに見えるのはハッシュドコンビーフ。

G2Eショウ会場へは9:45分頃到着。開場は10時だが、レジストレーションで入場バッジを発行してもらう。本来なら一昨日の月曜日には事前登録をして入場バッジを入手していたはずなのに、到着が3日も遅れたため、このタイミングとなった。

◆◆今回のG2Eのワタクシ的ハイライト◆◆

【スキルベースドゲーミングとVR】
・昨年から姿を消したVRは今年も出展なし。

・スキル・ベースド・ゲーミングはまだ結構残っている。実際のカジノでも多少設置されているが、あまり遊ばれてはいない。ボーナスゲームにスキルゲームを取り入れているスロットマシンもあるが、スキルゲームとふつうのチャンスゲームのどちらかを選べるという逃げ道を作っているものもある。ワタシも一度、カジノでためしにやってみようと思いかけたが、熟達する前は確実にペイアウトを受けられる結果には至らないと思いついてしまって、結局はやらなかったという経験がある。業界ももういい加減スキルゲームとギャンブルの相性の悪さには気づいているとは思うのだが、いつまで「鶏肋」を続けるつもりだろう。


スキル・ベースド・ゲーミングを続けているメーカーからいくつか。これ以外にもまだあるにはある。(1)パックマンをゲーミングにして大々的にアピールを続けるGamblit。いくつかのカジノでここの機械が設置されているところを見かけはするが、ムーブメントを起こしているとまでは言い難い。 (2)今年で4回目の出展となるNext Gaming。ATARIやTAITOのビデオゲームでペイアウトのあるゲームにしようとしている。ビデオゲームとして遊ぼうという気にはなるが、お金を賭けて遊ぼうとはなかなか思えない。 (3)Competition inteructiveと(4)Synergyは昨年も出展しているが、少なくともラスベガスのカジノではまだ見かけない。

Scientific Gaming (SG)】
Williams、Bally (Shuffle Masterを含む)、Barcrestを吸収したSGは、昨年に引き続き今年も入場者登録をしないと入れないクローズドなブース展開をしていた。中に入ると、「GOLD FISH FRENZY」というアナログゲーム機を2台出展していた。


SGの「GOLD FISH FRENZY」。「GOLD FISH」自体は、旧WilliamsのヒットしたスロットマシンシリーズのIPで、現在も断続的に新製品が開発されている。

賭け金を決め、筐体上部を左右に移動するボール投入装置の位置を見計らってボタンを押すと、パチンコのようなピンパネルにボールが1個投入される。このボールが、盤上の金魚鉢に入ると、表示されている数字のクレジットが貰えるというゲーム。ピンパネルは全面液晶板になっていて、金魚鉢には様々な魚が泳いでおり、ボールが入ると飛び跳ねたりする。数年前にセガが発表したメダルゲーム「ホルカトルカ」に非常に良く似た印象を得るが、このようなアナログゲームが、メダルゲームならともかく、ギャンブルマシンになるとは非常に意外であった。ペイアウト率はどう調整しているのだろう。また、こんな大きな液晶モニターがあることにも驚く。

SGからはもう一つ、「Mr. MONOPOLY''s BIG SPIN」という、盤ゲームモノポリーをテーマにしたビッグシックスのバリエーションが若干目を惹いた。


Mr. MONOPOLY''s BIG SPIN。

盤ゲーム「MONOPOLY」も旧Williams時代からながらく使い続けられているIP。通常のビッグシックスの回転盤の内側にもう一つ径の小さい回転盤を取り付け、大きい方の回転盤で「CHANCE」や「COMMUNITY CHEST」に停止すると、小さい方の回転盤を回すというもの。ビッグシックスのゲーム性を上げたとは言えるだろうが、ビッグシックスを遊ぶような客層がここまで複雑なゲームを求めるものかどうか、疑問を感じる。また、ゲーム時間が長くなるので、バリエーションを増やす目的以外で設置しようというカジノはあまり無いと思う。

Aristocrat
バッファローシリーズで10年間業界を引っ張ってきたその次は、ライトニング・リンクシリーズで新たなトレンドを作り上げているアリストクラートは、今のスロットマシンメーカーでは随一と言えると思う。そのアリストクラートは、今回非常にクレージーなバンク(スロットマシンの島)を出展していた。


Aristocratが出展していたバンク。なんという名称なのかはわからなかったが、側面には同社のスローガンである「thinkBIGGER」と書かれていた。

バンクを大げさに飾り立てるトレンドは昨年のショウで顕著だったが、今年は各社とも縮小傾向にある中でのことだったので、ひときわ目立ちつつも、なんとなく乗り遅れ感を感じた。アリストクラートは3年ほど前から「thinkBIGGER」というスローガンを立ち上げて、従業員のアイディアをすくい上げて新しい事をやらかそうという運動をしており、この筐体もその一環であったらしい。

ARUZE
SGの「GOLD FISH FRENZY」をビデオにしたようなゲーム「PACHINCOIN」を初出展。たしかに、ゲーミングにするならビデオにする方がずっと現実的ではあろうと思う。


ARUZEの「PACHINCOIN」。

しかし、見かけほどには面白くない。一昨年に登場したEVERI社の変わりダネスロット「LIGHTNING」のように、一時的には多少普及するかもしれないが、定番として定着することは無いと思う。

(つづく)