大田区で不思議な条例改正があった。
床屋さんや美容院では、水道水を使いシャンプーして、その水は下水に流しなさいよ、という条例だ。
一部の議員は、¥1000円カットの店から組合に入っている業界を守るための条例だと反対したようだが、その他の議員は全員賛成した。私はちょっと別のことを考えている。

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床屋さんや美容院では、水道水を使いシャンプーして、その水は下水に流しなさいよ、という条例だ。
一部の議員は、¥1000円カットの店から組合に入っている業界を守るための条例だと反対したようだが、その他の議員は全員賛成した。私はちょっと別のことを考えている。

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条例改正に至った理由は、組合から陳情があったから。
組合が陳情を出し、採択されて、条例が改正された流れだけ見れば、組合の意向に沿ったと言うことなのかもしれない。
このあたりについて、過去に陳情が出された時の状況を当時の議員がブログに書いているのでご参考⇒環境衛生?いえ業界保護の陳情に喝!@保健福祉委員会
犬伏前大田区議のブログより抜粋
格安店では洗髪を省いているので、当然洗髪装置などない。だから安い。子供写真館などは、そもそも美容が本来美容が目的ではなく、七五三などの写真撮影のための美容所登録なので、上下水道など不要で、簡易なタンクなどですましているようである。
洗髪装置をつけ簡易タンクはダメという。
しかし、委員会の審議を傍聴したが、
①シャンプーをしない床屋や美容院などは対象にならない。
②現在、上下水道につながずにいる対象店は無い。
という答弁だった。
条例を作っても、何一つ変わらないのだ。
ここが非常に気になっている。
自治体の多くの議案は、国の法令改正に伴う。
私は、地方議員の役割は、自治体独自の議案や予算にこそあると思っている。
自治体の多くの議案は、国の法令改正に伴う。
私は、地方議員の役割は、自治体独自の議案や予算にこそあると思っている。
そうした意味では、大田区が、国の法令改正も無く、しかも、条例改正したところで何ら影響も無い
①上下水道につなげ
②洗髪器をつけろ
の意図はどこにあるのだろうか。
大阪市で水道民営化のパブリックコメントが終わった。
麻生副総理は、日本の水道は全て民営化すると言っている。
こんな記事が有る。
麻生副総理は、日本の水道は全て民営化すると言っている。
こんな記事が有る。
1999年、ボリビア第三の都市コチャバンバ市では、フィリピンのマニラと同様、世界銀行の主導の下、水道事業が完全民営化され、ベクテル社が買い取った。ベクテル社はすぐさま、ダムの建設費用の調達のためとして、水道料金を200%以上も値上げした。結果、最低月額給与が100ドルに満たない町で、水道の請求書は月額20ドルに達した。
コチャバンバ市において、20ドルは5人家族が2週間食べる食費に相当する金額である。当然この大幅な値上げは、家計を直撃した。さらに、ベクテル社は「天から降る水の利用権は契約上、我社にある」として、雨水の利用にまで料金の支払いを要求し、挙句、雨水を個人が溜めることさえ禁止する法案を作らせたのだ。
もはや正気の沙汰ではない。企業が水道事業を握ると、ここまで際限ない横暴がまかり通ってしまう。
実は、条例には、大田区水道法施行規則に定める水道であること、とある。
床屋や美容院は、実際に影響を受ける人がいなかったからすんなり通った。
たとえば、これが、地下水をたくさん使って操業する染物屋さんだったらどうだろう。
雨水を使って植木に水やりをしたり、洗車したりするのはどうなんだろう。
大田区議会は、次にこうした条例案が出てきた時、どう対応するだろう。
今回の床屋や美容院で上下水道につなげといったのに、染物屋さんはつながなくて良い。
植木や洗車は雨水や地下水で構わないを言う理屈はあるだろうか。
規制緩和の突破口という言葉を政府は使っている。
一つ許せば、既成事実になり、次の似たようなものにNOと言いにくい状況を作るのではないか。
規制緩和の突破口という言葉を政府は使っている。
一つ許せば、既成事実になり、次の似たようなものにNOと言いにくい状況を作るのではないか。
だからこそ、意味のない、理屈の通らないルールは決して作ってはならないと思う。
42号43号がこの改正条例
42号43号がこの改正条例
更新日:2014年6月20日
議案番号 | 件名 | 自民 | 公明 | 共産 | 民主 | 無所属 | 緑 | ネット | 改革民主 | 結果 |
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42 | 大田区理容師法施行条例の一部を改正する条例 | 賛成 | 賛成 | 賛成 | 賛成 | 賛成 | 賛成 | 賛成 | 反対 | 可決 |
43 | 大田区美容師法施行条例の一部を改正する条例 | 賛成 | 賛成 | 賛成 | 賛成 | 賛成 | 賛成 | 賛成 | 反対 | 可決 |
3 | 大田区議会議員の議員報酬、費用弁償及び期末手当に関する条例の一部を改正する条例 | 反対 | 反対 | 賛成 | 反対 | 賛成 | 賛成 | 賛成 | 反対 | 否決 |
4 | 集団的自衛権行使を容認する解釈改憲を行わないことを求める意見書 | 反対 | 反対 | 賛成 | 賛成2 反対4 |
賛成 | 賛成 | 賛成 | 賛成 | 否決 |
会派略称は次のとおりです。
- 自民:自由民主党大田区民連合
- 公明:大田区議会公明党
- 共産:日本共産党大田区議団
- 民主:大田区議会民主党・新政会
- 無所属:無所属の会
- 緑:大田区議会緑の党
- ネット:大田・生活者ネットワーク
- 改革民主:改革民主党
