大田区議会議員 奈須りえ  フェアな民主主義を大田区から!

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【盛り土】は豪雨だけでなく振動にも弱い? 東京都土木技術研究所の調査が活かせない日本の開発

2021年07月07日 | リニア

熱海の土砂崩れ
西成区の崖の住宅倒壊、
外環道の陥没


と地盤事故が相次いでいます。



「盛り土の危険性」が指摘され、全国調査が報じられていますが、大田区が東京都に委託した調査では、すでに、昭和45年に震害と盛り土の問題が指摘されています。

それだけでなく、台地部の地下水布や変動は、がけ崩れの発生要因と関係があるので、斜面に沿った地下水湧水状況の精査も今後に残された問題の一つと指摘されていました。


激甚化する自然災害ですが、背景には、安全確保が不十分なまま、急激な人為的造成や開発を進めてきた都市計画の問題が見えてきます。

過去の知見が活かされず、開発が進められてきたという事です。

国土強靭化は、大規模自然災害等に備えるためだそうですが、自然を壊し日本の国土が悲鳴をあげています。

リニアの大田区の経路には、

過去に盛り土などをした災害がやや大の地域(昭和45年の大田区の報告書より)が何カ所もありますが、大深度地下法は、表層地盤や地下水湧水状況の調査は義務付けていませんし、外環道陥没事故が起きた後も追加で調査を行っていません。

黄色い線はリニアが通る近辺のイメージ(実際のルートとは正確に一致しません)

濃い灰色部分が盛り土、薄い部分が切土




事故を繰り返さないために、過去の知見を活かした表層地盤の最新の調査と、リニア事業からの撤退という英断も必要だと思います。

これらについて、外環道の事故を受け、大田区議会で指摘したところ、JR東海など関係機関と連絡を取り、区としてでき得ることには適宜取り組んでまいりたいという答弁を得ました。引き続き取り組んで参ります。

過去の開発のつけが、今、大規模な自然災害として、私たちに降りかかっています。

災害防止の名目で、国土強靭化というさらなる開発を行えば、そのつけはさらに大きな災害となって私たちにかえってくるでしょう。

自然を壊し日本の国土が悲鳴をあげています。

以下に、大田区が東京都土木技術研究所に委託した調査結果をご紹介します。


大田区が昭和45年1970年に東京都土木技術研究所に地震対策のための地盤地質地下水調査を委託し、
【1】震害における地盤災害の点から表層地盤の詳細な検討が必要
【2】表層地盤の土性は不明瞭な点が多くきめの細かい調査が必要
【3】表層地盤は人工的な埋立土が広く分布、人為的改変が著しい
などと指摘されています。

しかし、そうした知見が生かされず、大深度地下の支持地盤が固いかどうかで大深度地下法が成立しています。

事故で初めて「盛土の危険性」が分かったかのように報道されていますが、報告書には昭和45年に表層地盤の重要性

【1】震害に関係した地盤条件として、沖積層の分布など浅層地盤構造が主に検討されてきたが、震害における地盤災害の点から見ると、表層地盤の詳細な検討が必要

【2】地盤災害による被害は、大構造物よりも、木造家屋、道路はどのほか、ガス・水道などの地下埋設物に対して影響の著しいことは従来の震害例が示している

【3】表層地盤の性情は…よりきめの細かい調査が必要。この(表層)地盤には人工的な埋立土(場所によってはゴミの層がある)が広く分布し、人為的な改変が著しい。

と、今私たちが知るべき重要な知見が凝縮されています。

 

その上で、
◆台地部の地下水分布や変動は、崖崩れの発生要因t関係があるので、斜面に沿った地下水湧出状況の精査も、今後に残された問題の1つ

という問題提起までされています。

 

何故、過去の知見を活かせなかったのでしょう。



少なくともリニア中央新幹線の大深度地下使用で、表層地盤の詳細な調査は行われないまま認可が下りていますし、外環道の事故を受けたJR東海の説明でも、JR東海は、新たな調査はせず、家屋調査や地盤改良材を使って施工管理しトンネルを掘り始めると言っています。

地盤については東雪谷非常口の土をだしていくところで確認していくと説明し、配布資料には、計画路線周辺の状況を確認しながらトンネル掘削を進める、と工事しながら調査すると思える記載もありました。

しかし、過去の調査で、たとえば大田区ですと、区域ごとの震害の影響の程度は以下のように示されています。

 

 

この図と、さらに下の盛り土や切土などの区域をリニアは横切るように計画されています。

 

調査は昭和45年ですから、その後の変更もあるかもしれませんがだからこそ、調査は必要ですし、「昭和の知見」が活かされるべきだと思います。


 

 



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