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大田区議会議員 奈須りえ  フェアな民主主義を大田区から!

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講演会・シンポジウム「適切な吹き付け石綿除去工事を 2006年夏」

2006年06月30日 | ├.環境・エネルギー・廃棄物・アスベスト

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 アスベストに関するご相談は「中皮腫・じん肺アスベストセンター」へ
大田区立梅田小学校の体育館建設のために東京都から取得した土地に、アスベストの含有廃建材が放置されていた問題や、大田区営住宅のひる石の除去の問題など、アスベストにかかわる問題で相談にのっていただいている「中皮腫・じん肺・アスベストセンター」が主催した講演会・シンポジウムに出席しました。
 
 昨年のクボタの公表以降、アスベストに対する意識が高まり、除去工事が増加しています。
 自治体などでも、積極的に吹きつけアスベスト(飛散性アスベスト)を除去しようという姿勢をとっていますが、特に、子ども関係の施設が休みに入るこの夏には除去工事が集中することが心配されています。

 工事の増加が予想される中、アスベスト除去工事は儲かると言うことで、新規参入する業者も多いのが現状です。昨年の7月以前には2000人だったアスベスト除去の資格者は、現在、25000人から30000人の10~15倍に増えているとも言われています。
 長年アスベスト除去工事に携わっている知識も経験もある事業者でも、ヒヤヒヤする場面はあるといいます。新規参入の事業者や、新規資格取得者であっても、マニュアルどおり、法令に定められたとおりに除去作業が行われれば良いのですが、必ずしも、そうした業者ばかりではないのではないかとアスベストセンターでは警戒しています。
 先日私は、石綿作業主任者技能講習を受講しましたが、わずか2日。10時間の座学だけでアスベスト除去の専門家になることができるとするならば、私もその一員になってしまいます。
 しかし、私は、現場で建築作業をしたことも無ければ、アスベストを取り扱ったこともありません。
 講習は知識習得のためのひとつの手段であり資格取得のための方法ですが、現場
での安全な作業のためには、模擬訓練も必要で実際に行っている事業者もありました。

 一方で、現在の吹き付けアスベスト除去工事の業者選定の際には、指名基準を持っていないのが現状です。
 例えば、神奈川県の土地建物保全協会は、県から受注した県立高校や県営住宅のアスベスト関連修繕工事の発注に先立ち、同協会の登録(有資格者)業者を対象に先日私も受講した「石綿作業主任者」などの資格者の有無と加工5年間のアスベスト関連工事の受注状況を予備調査します。予備調査の結果に基づき、資格者などを確認でいた業者の中から指名することにしています。
 
 東京都では、一般競争参加資格申請の段階で、「石綿処理」を独立した業務区分として設定し「石綿作業主任者と特別産業廃棄物管理責任者」を直接かつ恒常的に雇用していること」を求めています。しかし、他の自治体にはこうした例は見当たりません。
 
 十分な知識も無く、経験も無い人が除去作業をするということは、本人が被害者になる恐れと共に、周囲に被害者を広げる可能性もでてきます。本人が被害者になる可能性があるから、将来の発症に備え、いつどこで作業にかかわったかの記録を手帳でよいからとって置くようにと指導している事業者もありました。この事業者では、同時に、除去作業をおこなうことは、加害者になることもあるのだと強く指導しているということでした。
 
 長年除去工事をしている事業者も、アスベスト除去現場は、高圧電流の流れる場や、取りにくい、暑い、暗い、狭い、高温多湿なところなど、一つとして同じ現場は無いうえ、よいコンディションの現場は1、2割しかないと言っています。
 
 また、新規参入者が増加すれば、競争が激しくなり、工事単価が低くなることが予想されます。一部でダンピング傾向が現れはじめているとも言われています。工事単価が低くなれば、十分な工事ができなくなる恐れもあります。
 そうした対策のためにアスベスト除去工事は分離発注すべきであるという指摘もありました。

 事業者に係る改善策と共に、被害者になりうる人の疑問、不安にどれだけ応えられるかと言う、リスクコミュニケーションの視点も大切です。
 工事の前に、被害者になりうる立場の市民が事業者とのやり取りをすることで工事の質もあがってきます。

 平成17年7月に厚生労働省が、監督指導を重点的に行ったところ、5.5%が違反を犯していたという結果もでています。
 今後は、第三者評価制度や、アスベスト Gメンの設置なども検討していく必要があるでしょう。 
 
 除去した吹きつけアスベストは、特別管理型処分場に持ち込むことが義務付けられています。現在アスベスト除去工事を受注している事業者は、処分場へのもちこみに二ヶ月かかるということでした。これから受注する事業者や、現時点で処分場や運搬の車の手配をしていない事業者のアスベストの廃棄処分も問題になってきます。緊急的に受注した企業がアスベストの処分場所を確保できなければ、不法投棄のも問題もでてきます。

 
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