水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

万葉集(18)

2017-06-09 09:21:31 | 万葉集
11-2383 世の中は 常かくのみと 思へども はた忘れえず なほ恋にけり
柿本人麻呂

男女の仲なんて、常々(時がたてば冷えていき、)結局こんなもんだ、とは思うものの、やっぱり(あなたのことを)忘れられないのです。 


昨日の講義で紹介された歌です。
説明を聞くまで、歌の前後半に違和感を覚えはしたのですが、通常考える「世の中」で理解してしまおう、と思っていました。

ところがです。「世の中」=男女の仲、なのだそうです。

そこで、「世(ヨ)」を、辞書でチェックしました。
古語辞典には、11種の意味が書かれていて、その11番目に、「男女の関係」とありました。

大辞林には、10種の意味が書かれていて、その9番目に「異性間の関係」とありました。
しかもです。例文として、古今和歌集の歌を載せているのです。


古今和歌集を詠みだしてだいぶたちましたが、心のゆるみが出ているようです。
「世の中」を、今の常識で解釈してしまう間違いを犯していたようです。
つまらぬ、しかし、とても大事な発見、と思えました。辞書を引くことをおっくうがってはいけません。