水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

万葉集(15)

2017-02-13 11:31:05 | 万葉集
3-318 田子の浦ゆうち出てみれば真白くぞ不盡の高嶺に雪は降りける
山部宿祢赤人が不盡山(フジヤマ)を望てよめる歌

田子の浦からぐぐーっと離れると、富士山の頂上が真っ白に雪を被っているのが見える。


そもそもは、この万葉集の歌が本元だが、今では、次の百人一首や新古今で超有名な歌になっている。

田子の浦にうち出てみれば白妙の不盡の高嶺に雪は降りつつ

これら二つの歌における言葉の違いは、三点(ゆ=に、真白にぞ=白妙の、ける=つつ)にすぎず、意味合いに大差はないのだが、ゆ=にの違いは無視してはいけないように思う。
「に」の場合の訳を次のようにしたいが、いかがだろうか?

田子の浦海岸からは、富士山の頂上が真っ白に雪を被っているのが見える。


なにがいいたいか? 元歌のほうが、雄大さが表現されていてずーっといい。


今の時期、富士山のきれいさに、寒さをしばし忘れ、見惚れることある。