摂取した炭水化物は体内でブドウ糖に変えられて、
エネルギー源として体内の各所に運ばれ、余剰分は
脂肪に変えられて蓄積される。
内臓脂肪や皮下脂肪となって肥満に結び付く。
一方、過剰摂取されたたんぱく質は、アミノ酸に
変えられるが、必要とする消費量を超えた量は
ブドウ糖のように蓄積されることはない。
筋肉などに利用されなかったたんぱく質は排泄
されるが、持続的なアミノ酸の過剰摂取は「アミノ酸
インバランス」状態を引起す。
加えて問題なのは、たんぱく質は熱や食品添加物の
化学成分によって変質し易いため、変性が起きて
いる異常なたんぱく質は神経細胞などの中枢細胞に
蓄積するとパーキンソン病やアルツハイマー病、
ハンチントン病などの発症に結付くと専門家は警告。
タンパク質が欠乏したときは、身体では代謝により
排出されるべきタンパク質をリサイクルしたり、体内の
タンパク質成分を必要な部門に振り向けるなどで
身体全体で必要なタンパク質のバランスをとる
仕組み、「オートファジー」を備えている。
我々の身体は、生体を維持するために、一日に
160~200gのタンパク質を体内で合成する必要が
あるが、毎日160g以上のたんぱく質を摂取する
必要がなく、過剰摂取がむしろ問題だと警告する。
「備えよ常に! 備えあれば憂いなし」です。
健康と安心のメタボへの備えは?
【産経新聞号外】ノーベル医学賞 大隅氏[PDF]
大隅良典氏にノーベル医学・生理学賞
「オートファジー」の仕組みを解明
スウェーデンのカロリンスカ研究所は10月3日、2016年の
ノーベル医学・生理学賞を、飢餓状態に陥った細胞が
自らのタンパク質を食べて栄養源にする自食作用
「オートファジー」の仕組みを解明した東京工業大の
大隅良典栄誉教授(71)に授与すると発表した。
生命活動に欠かせない基本的な現象を明らかにし、
医学や生物学の進歩に大きく貢献した功績を評価。
オートファジーはギリシャ語の「オート」(自分)と
「ファジー」(食べる)を組み合わせた造語。栄養が
なくなった細胞内に、二重膜でタンパク質などを
取り囲むオートファゴソームという小胞ができ、分解
酵素が入った細胞小器官と融合してタンパク質をアミノ
酸に分解し、栄養源として再利用する仕組みを指す。
この現象が存在することは1950年代から知られて
いたが、分子レベルでのメカニズムや生理学的な
意義は謎だった。 (2016.10.3. 産経新聞)