万葉集で詠われている花の中では、圧倒的にハギが
多く、141首を数えると言います。
それだけ、ハギの花は万葉人だけでなく庶民にとっても、
身近な花だったのです。
当時からハギは日本の山野に広く自生していて、種類
も多く在ったようです。
ヤマハギやマルハギなどの比較的早くから花をつける
ものから、ミヤギノハギなどのように遅咲きのものも
あって、万葉集の中でも時間差が表れています。
身近な花であった証とされるのが山上憶良の秋の
七草を歌った歌です。
萩の花 尾花葛花 なでしこの花
をみなへしまた 藤袴 朝顔の花
(巻8-1538)
全国各地には、ハギの花の寺として、名前が知られて
いるお寺が多く在ります。
奈良でも、幾つかのハギの寺があり、観光の名所に
なっているところも少なくありません。
その中の一つに、白毫寺があります。
高円山に山腹に建ち、上る石段沿いにもハギが咲き
乱れる花と眺望の良さを備えた観光客に人気の寺です。
このお寺の境内に、笠朝臣金村が志貴皇子の死を
悼んで作った歌の歌碑があります。
高円(たかまと)の、野辺の秋萩 いたづらに
咲きか散るらむ 見る人なしに
(巻2-0231)
我が家のミヤギノハギは、遅咲きで大伴坂上郎女の
遅咲きのハギを詠った歌にエールを送っています。
咲く花も うつろふは厭(う)し 奥手(晩生)なる
長き心に なほしかずけり
(巻8-1548)
「備えよ常に! 備えあれば憂いなし」です。
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