大黒さん

つれづれに、道行く人のながれを眺めている土塀のうえの大黒さん

万葉集のハギの歌

2008年09月23日 | Weblog



   

万葉集で詠われている花の中では、圧倒的にハギが

多く、141首を数えると言います。

それだけ、ハギの花は万葉人だけでなく庶民にとっても、

身近な花だったのです。

当時からハギは日本の山野に広く自生していて、種類

も多く在ったようです。

ヤマハギやマルハギなどの比較的早くから花をつける

ものから、ミヤギノハギなどのように遅咲きのものも

あって、万葉集の中でも時間差が表れています。

身近な花であった証とされるのが山上憶良の秋の

七草を歌った歌です。      

  萩の花 尾花葛花 なでしこの花 

    をみなへしまた  藤袴  朝顔の花
          (巻8-1538)

全国各地には、ハギの花の寺として、名前が知られて

いるお寺が多く在ります。

奈良でも、幾つかのハギの寺があり、観光の名所に

なっているところも少なくありません。

その中の一つに、白毫寺があります。

高円山に山腹に建ち、上る石段沿いにもハギが咲き

乱れる花と眺望の良さを備えた観光客に人気の寺です。

このお寺の境内に、笠朝臣金村が志貴皇子の死を

悼んで作った歌の歌碑があります。          

  高円(たかまと)の、野辺の秋萩 いたづらに

      咲きか散るらむ 見る人なしに
          (巻2-0231)

我が家のミヤギノハギは、遅咲きで大伴坂上郎女の

遅咲きのハギを詠った歌にエールを送っています。

  咲く花も うつろふは厭(う)し 奥手(晩生)なる

      長き心に なほしかずけり
                (巻8-1548)

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