まちなかバスを、戸田書店前で見送った後、JR線路脇にあるとんかつ屋を思い出し、行ってみる事にした。滅多にとんかつは食べないのだが(食べた後に、後悔をするので)、この日は、とっても前向きに店に向った。ところが、店の前まで来ると、準備中の札が置いてある。「???」時刻は11時45分、普通なら間違いなく営業中の時刻のはずだ。ふと入口を見ると、暖簾が下がっていたので、入ってみる事にした。店内に入ると、愛想のいいご主人が、調理場の中から迎えてくれた。「やってますよねえ」と恐る恐る聞くと「はい、やてます」との返事がきて ほっとしながら、カウンター席に座る。
とんかつと言えば、ロースだろうね、と常日頃思っているので、「ランチのロースで」と、注文をすると「ロースじゃないとダメですか」聞かれ、「実は、今日はいいロースが、入ってこなかったので、返しちゃったんですよ。」と、ご主人が言うのであった。良くないものは出したくないと、商売に対する責任の取り方に感心して、それならばと、ひれかつにする事にした。
暫くすると、歳のころは70歳くらいの、女性二人連れのなじみ客が、入ってきて牡蠣フライはないの、と言いはじめた。そうか、もうそんな季節なんだ、と思いながら、会話に耳を傾けていると(アバンティー風)ご主人が、うちは、11月くらいからなんです、と言って応対している。するとご婦人達は、ちょっとがっかりしながら、「(店に)入っちゃったから、このままじゃ帰れないね」と言って、二つ隣の席に座った。
今度は、女将さんが出てきて、今日はロースが良くないんです、とさっきと同じ説明をしていた。念の入った対応に、ちょっと苦笑してしまった。
勿論、ひれかつ定食は、それなりに美味しかったが、次回チャンスがあったら、ロースかつを、食べてみたいと思ったのだ。でもすぐに、牡蠣フライが先かもしれないと 思い直していた。
カウンターの隅っこに小さなテレビがあって、下世話なボクサーのニュースを映していたが、そのニュースのせいで、ちょっと、楽しくなくなってしまった。
店の雰囲気と、料理と、テレビのニュースは、不協和音のように、交じり合わなかった。
とんかつと言えば、ロースだろうね、と常日頃思っているので、「ランチのロースで」と、注文をすると「ロースじゃないとダメですか」聞かれ、「実は、今日はいいロースが、入ってこなかったので、返しちゃったんですよ。」と、ご主人が言うのであった。良くないものは出したくないと、商売に対する責任の取り方に感心して、それならばと、ひれかつにする事にした。
暫くすると、歳のころは70歳くらいの、女性二人連れのなじみ客が、入ってきて牡蠣フライはないの、と言いはじめた。そうか、もうそんな季節なんだ、と思いながら、会話に耳を傾けていると(アバンティー風)ご主人が、うちは、11月くらいからなんです、と言って応対している。するとご婦人達は、ちょっとがっかりしながら、「(店に)入っちゃったから、このままじゃ帰れないね」と言って、二つ隣の席に座った。
今度は、女将さんが出てきて、今日はロースが良くないんです、とさっきと同じ説明をしていた。念の入った対応に、ちょっと苦笑してしまった。
勿論、ひれかつ定食は、それなりに美味しかったが、次回チャンスがあったら、ロースかつを、食べてみたいと思ったのだ。でもすぐに、牡蠣フライが先かもしれないと 思い直していた。
カウンターの隅っこに小さなテレビがあって、下世話なボクサーのニュースを映していたが、そのニュースのせいで、ちょっと、楽しくなくなってしまった。
店の雰囲気と、料理と、テレビのニュースは、不協和音のように、交じり合わなかった。