桜の季節

日差しは温かいが朝から風が強く吹いて出鼻を挫く。

昨年末からの大きな仕事が終わり肩の荷を下ろすと共に、お祝いとして久しぶりに刺身を食べようと思い立ち魚屋に向かった。
いつもの道を通り美濃輪稲荷神社前を通ると、鳥居隣の桜は三分咲きの様を呈していた。

此処の桜がこの程度なら船越堤もこんなもんだろうと容易に想像出来るので、桜見物はもう数日先だろうか。



魚屋の店先の歩道に案内プレートが張られており、こんなもの意味が有るのかと首をひねって居ると店の中からMotoさんが出て来た。
挨拶もそこそこに何ですかこれは？と聞くと
数日前に勝手に貼って行ったと言う。
「観光客相手じゃないの」と言うMOTOさんに観光客相手なら中国語がないとね～と意見を述べて置いた。



マグロの赤身を鉄火丼用に切ってもらい、鉄火丼を作った。
海苔は鋏で細切りにして、今回上手に出来た寿司飯の上に乗せた。

赤身は軽く漬けにしてまったりと仕上がって満足。
味も言うまでも無く美味い。
残った酢飯でお稲荷さんを作ったのは予定通り。

桜が満開に成ったら、お寿司を持って船越堤に行こう。あの日と同じように。

やりたい事

静岡伊勢丹で京都展をやって居ると聞いた。
ネット検索で見ると京都の玉子サンドが美味しそうに写って居た。

以前京都に行った時は、玉子サンドの優先順位が低かったので未消化のままで、懸案事項に棚上げされて居た。
食べたい玉子サンドの店ではないけれど、京都の玉子サンドを食べて置く事は大事な事の様に思えて出掛ける事にした。

静岡伊勢丹に行くのは何年ぶりだろうか。（去年も来たかも）
裏手の立体駐車場は以前によく停めた駐車場でちょっと懐かしく思い出す。




8階の催事場は思ったよりも狭い感じがして直ぐに帰りたくなった。
4軒の玉子サンドを買う積りだったのだけど1軒は3時からの販売で買える筈も無く、もう1軒は探すのを諦めた。

2軒の玉子サンドを買った後、流石にお弁当は食べ切れないから買わない。
わらび餅はすごく美味しそうだったけれど、今日は玉子サンドの日なので諦めた。
最初から一人で食べられる量なんて知れていたのだ。
日持ちする漬物って手も有るけれど、京都の漬物は松坂屋の地下でも買えると思うと有難味が無い。

玉子と生クリームで焼かれた卵焼き（写真：右）はふんわりとしていて口の中で溶けて行った。これは美味い。
出し撒き卵（写真：左）のサンドイッチは想像通りの味でちょっとほっとする。



もう一品何か買おうと思って物色していたらわらび餅の隣のみたらし団子が目に止まった。
一度焼いてから蜜に付ける団子は好きで見つけると買ってしまうのはしょうがない事だと良い訳をしつつ、欲張って10本入りを買ったのはちょっと失敗だった。（多過ぎた）

食後に一本三時のおやつに3本、又食後に一本。
残りは明日。蜜が固まって来て美味しく成るのだ。団子は少し堅く成るけど仕方ない。

玉子サンドは消化したって事にして、優先順位を下げて置く。

やりたい事を消化していくと、やりたくない事だけが残るのだろうか。

ベーコン

二の岡フーズ（御殿場市）のベーコンが手に入ったので厚切りにして玉子と焼いて見た。

野菜はなるべく手を掛けずに食べた方が良いと聞いた事が有り、ピーマンも生で食べて居たのだけど
そのまま焼いて種まで食べた方が美味しい事に気が付き実践している。

最近はピーマンの他、人参も気に入って居て以前は正体が無く成るまで柔らかく煮て食べて居たのだけど、最近は少し変わって来た。

有る時焼き鳥の付け合わせで人参の輪切りを焼いた事が有る。
案の定、人参は生焼けで歯応えのある焼人参が出来上がったのだけど、焼き直すのも面倒なのでそのまま食してみるとガリガリいう。
でも、「あれ？」と或る事に気が付いた。甘いのだ。

その甘さが何かに似ていると思った。そうだ。固い柿だ。
人参独特の香りの奥に柿に似た甘さと食感に出会えてちょっと嬉しく成った。



フライパンに蓋をして玉子を少し蒸す。
蓋を開けた瞬間、燻製の香りが立ち上り食べる前から美味しいのが分かる。

急いでビールを出して、ベーコンにかぶりついたのは言うまでも無い。至福の時。
見事に焼人参も美味しく頂いた。



妻は焼き野菜を余り焼かない人で、じゃが芋はいつもガリガリ言っていた。
芋はホクホクだろうと言った事が有るけれど、ガリガリが好きなんだと返って来た事を思い出しつつ、
いつの間にか固い焼き野菜が好きに成っている事に気が付いた。

朝市に行く

冬の間は寒いし日の出が遅いから暗いしなどと理由を付けて朝市に行くのを辞めていた。
でも本当は寒い時の方が取れたて野菜は美味しいのだ。

陶芸教室通いを再開した事に続いて朝市にも行く事にした。
家を出ると思ったよりも寒い。
日中は15度から17度も有るのに、朝晩は5度くらいまで下がって居たのだ。
春は直ぐそこなのに、冬の尻尾を踏んだ感じです。

巴川の河口まで来ると太陽が上り始めていて川面が光って居て綺麗だった。羽衣橋が眩しい。



常念川の河口にある保育園は3.11以降高台の方に移転して建物だけが残って居る。
園児の声が聞こえなく成ったこの場所は、震災遺構のようでも有る。





港まで来るとドリームプラザの観覧車も朝日を浴びていてオレンジ色に光って居た。
調子の上がらないエスパルス（J1地元サッカークラブ）を応援している様で心強い。



朝市会場に入ると顔見知りの出店者から「久しぶり～」と声を掛けられる。
3～4か月ぶりでしょうか。

生キクラゲを買って、不知火（柑橘）を二袋買って、手羽先の唐揚げを買って、茹でしらすを買って、ほうれん草を買って、シフォンケーキを買った。

「ほうれん草は露地ものだから力が有る」と元気なご婦人が言うので二袋買った。
300ｇは入って居るからと言うのでお浸しにする事にしたのだ。
一袋100円はお買い得。

早速茹でてみると根元のピンク色の所が甘いし、確かに力強い。
スーパーのそれとは一味違う。
ほうれん草は子供の頃見たアメリカアニメのポパイを思いだすけれどポパイは缶詰のホウレン草を食べていた。
今日までホウレン草の缶詰を見た事が無いのは田舎に住んで世間が狭いせいでしょうか。
今更ポパイに成れそうにない。

親の仕事

留学中の愚息に代って彼の確定申告をしようと思って申告書を作って見た。
出発する前までやって居たバイト先から源泉徴収票が届いており、それ程面倒では無さそうなのでチャチャと片付けようと思ったのだ。

申告書の作成は直ぐに出来たのだけど本人確認の添付書類に手を焼いた。
一つは健康保険証のコピーで良いので問題ないのだが、運転免許書の様な物（住所と顔写真）が無い場合は二つ用意しなければならない。

愚息はマイナンバーカードを作って居なかったので彼の住む街の区役所に行き彼の住民票（マイナンバー入り）を取って来なければならないのだった。
マイナンバー通知葉書は住所が違っているので役に立たない。


この時も、それ程面倒な事に成って居るとは思えなかったので気楽に役所の窓口に行くと
「居住地が違う人が申請する場合マイナンバー入りの住民票を取るには委任状が必要です」と御役所らしい対応に体が固まってしまった。


そんなあ。静岡から来ているのに。


愚息は留学中だから委任状なんか直ぐに取れる筈がないし、今から委任状を郵送しても確定申告の期日には多分間に合わない。
しかし、なんとか愚息の委任状を取り寄せ申請してみると今度は受け取れないと言う。

本人意外の人がマイナンバー入りの住民票を申請した場合必ず住居地に郵送するので、直ぐに受け取れないそうだ。
個人情報の漏えいを防ぐためのお役所的発想なんだろうけれど、全く迷惑な話だ。

送られた郵便物を受け取るのも私んですけどと食い下がって見たけれど無駄でした。



ブツブツ言いながら実りの無い一日を過ごした。