審判が置かれている立場

　皆さんは「ベイブレード」というおもちゃをご存知ですか？平たく言えば昔の「ベイゴマ」の現代版なんですが、このおもちゃが今、小学生の男の子たちに大人気で入荷しても即日完売してしまうこともあるんです。
　僕のスーパーでもベイブレードは取り扱っていて、以前よりは落ち着きはあるものの、それでも人気のおもちゃです。

　今日そのベイブレードの勝ち抜きトーナメントのイベントが僕の店でありまして、司会兼審判という形でイベントのお手伝いをしました。ここで感じたのが「審判の難しさ」についてです。

　審判と司会を兼用していると、外野からの声に応えなくてはいけませんし、一緒にイベントを行っている他の従業員からも僕に声がかかるんです。ですから試合から目を逸らす瞬間がどうしてもできてしまうんです。そんな時子供達から「えっ」なんて声がかかると、少し焦ってしまいます。

　今日司会と審判をしながら思った事は、先日のチャンピオンズ・リーグのバイエルン対フィオレンティーナ戦で、クローゼのオフサイドを見逃してしまったしまった審判への批判ですね。確かに映像で見れば完全にオフサイドで、フィオレンティーナの関係者が激怒するのも無理はありません。そしてこの試合の審判も、自身の過ちを認めています。

　ただ現代サッカーにおいて、現状の審判のあり方が限界なのではないかと思うのです。
　まず選手２２人に対し審判はひとりですから、どうしても試合中死角ができてしまうのはしかたがありませんし、何より彼らの多くは審判のプロではなく、他の職業と兼任していることが多いですね。ですからあまりにひどい罵詈雑言を浴びせてしまっては、その審判のキャリアをつぶしてしまうかもしれませんし、何より審判を志す人間がいなくなってしまうかもしれません。

　例えばプラティニはビデオカメラやサッカーボールのマイクロチップ導入など、機械の応援に頼る事を頑なに否定していますが、サッカーが巨万の富を生むスポーツへ成長し、同時にひとりの人間を破滅に追いやるくらいの重圧がかかるようになった今こそ、機械の挿入の検討を、もう一度議論した方が良いと思います。

　プラティニの母国フランスは、アンリのハンドでアイルランドを撃破し南アフリカワールドカップへ出場します。もしかするとプラティニは近いうちに、新しい声明を発表するかもしれませんね。
　ＵＥＦＡの会長の母国がハンドでワールドカップ出場を手繰り寄せるほど、心苦しいことはありませんからね。

　現状では「審判の判定ミスもサッカーのひとつ」と割り来るほうが良いのかもしれません。