「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

蛇衣を脱ぐや大倉ダムサイト 鈴木幸子 「滝」7月号<滝集>

2013-07-26 04:49:07 | 日記
 去る5月「滝」の吟行会があった。「大倉ふるさとセンタ
ー」と「定義如来・西方寺」は、緑滴り山桜も咲いていた。
揚句はこの折の作品である。定義山へは幾つかのルートがあ
るが私は最短ルートの山越えをした。九十九折の標識が次々
とあり狭く険しい山道。私の手足のような愛車なのだが味わ
った緊張感はスリリングなものだった。蛇や蜥蜴がわんさと
いそうな気配。蛇は崇められたり嫌われたりする特異な生物。
数回脱皮してあのぬめぬめとした艶やかな姿になるのだ。ダ
ムサイトに、ごわついた透けた脱殻が形のままに残っていて
5月の風にはんなりと揺れている様子が見えてくる。(あいざわ静子)