「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

朧夜や狐狸の出さうなデンデラ野 加川則雄 「滝」6月号<滝集>

2013-07-01 05:14:38 | 日記
 遠野のでんでら野でしょうか。朧夜は妖怪をイメージさせ
るのに充分ですね。ネットで写真を見ると、野原に「でんで
ら野」と書いた杭のような物があるだけの所で、<遠野地方
では高齢になった村人が村はずれに移り住み、耕作を続けな
がら余生を送る「隠居」というニュアンスが強く「楢山節考」
のような悲惨で陰鬱なイメージはない。また「デンデラ」と
いう言葉は、「でんでん虫」や「でんでら竜」のように「出
る・出られない」という意味があり、村に戻ったところで自
分の居場所が無いから出られん、という心境を端的に表した
言葉が「デンデラ」になったのではないか>というような事
が書き添えられてありました。遠野のほのぼのとした狐狸な
ら会ってみたい気がしますね。(H)