「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

静かなる水位がありて残る鴨 相馬カツオ 「滝」7月号<滝集>

2013-07-17 04:55:47 | 日記
 春深くなってもまだ帰らずにいる鴨。「静かなる水位」に、
雪解水で増した水位の深さを思います。そこに、他に水面を
揺らすものも無く、鴨は一羽のみなのだろうと思いました。
淡々とした叙景句。作者と鴨の間で「どうして帰らないの」
と、自然を媒介にした会話がなされていそうです。何か事情
がありそうな鴨が気になった作者の優しい目を感じます。(H)