「まち」を「襠」とし、季語である立葵を詠んだ句と思い
惹かれたが、他の三句から震災と分かる。漢字表記が続くわ
けではないのに「真空のまち」。それは津波あとの瓦礫が取
り除かれたのっぺらぼうの街のようでもあり、原発事故で避
難を余儀なくされた空っぽの街のようである。人の営みが感
じられない街に、華やかな立葵が尊大に咲いている。震災の
句の鑑賞はもう嫌と思わされた。しかし、この震災を忘れて
はいけないのだ。(H)
惹かれたが、他の三句から震災と分かる。漢字表記が続くわ
けではないのに「真空のまち」。それは津波あとの瓦礫が取
り除かれたのっぺらぼうの街のようでもあり、原発事故で避
難を余儀なくされた空っぽの街のようである。人の営みが感
じられない街に、華やかな立葵が尊大に咲いている。震災の
句の鑑賞はもう嫌と思わされた。しかし、この震災を忘れて
はいけないのだ。(H)