「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

今年竹握りこぶしのをさなくて 牧野春江 「滝」8月号<渓流集>

2011-08-09 20:14:01 | 日記
 皮を脱いで生長した今年竹の緑が美しい。真っ青な空に向
かって伸びた若竹は凛とした青年の姿をイメージさせるが、
作者は、幼い握りこぶしを見ている。そこに「凛」を見るな
らば、空手であろうか。入門したばかりの真っ白な空手着が
緑に映える。数年後にはここで、こぶしが風を切る音を一句に
仕立てることになるのかもしれない。(H)