「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

真空のまちに昂る立葵 山崎真中 「滝」8月号<滝集>

2011-08-12 19:07:52 | 日記
「まち」を「襠」とし、季語である立葵を詠んだ句と思い
惹かれたが、他の三句から震災と分かる。漢字表記が続くわ
けではないのに「真空のまち」。それは津波あとの瓦礫が取
り除かれたのっぺらぼうの街のようでもあり、原発事故で避
難を余儀なくされた空っぽの街のようである。人の営みが感
じられない街に、華やかな立葵が尊大に咲いている。震災の
句の鑑賞はもう嫌と思わされた。しかし、この震災を忘れて
はいけないのだ。(H)

2 コメント

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まち (今村征一)
2011-08-12 20:16:48
「まち」は[襠]ではなく「街」または「町」と読みました。
「真空のまち」は瓦礫と化した町ではないのでしょうか。間違っていたら御免なさい。
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今村さんの読みが正しいと思います。 (博子)
2011-08-12 21:16:34
他の三句が震災の句だからです。「街」・「町」と書いてあるならば、私も素直にそう読みました。でも漢字表記が続くわけではないのに「まち」です。ここに間違っていても、想像の縫い代が見えてしまったので、こんな鑑賞になりました。
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