今日も庶民の町、ソフィア市リューリン・・・ 新しくなったヴホッド(出入口)の郵便受けは個別に広告を入れやすくなったのでそれこそ週末には山のように・・・ その中に近所のピザ屋やケーブルテレビ局、さらには子供に人気のクマちゃんのグミキャンディーの会社など、いろいろな会社のロゴが書いてある小さな広告が。なんだろう?と思って見てみると・・・
リューリン4丁目の野外ステージで6月1日から6日まで「小劇団フェスティバル」を開催します
でも今日はもう5日・・・ あと1日しかない。「3匹の子豚」とか、「メチョ・プフ(くまのぷーさん)」とか子供にもワタシにも分かりやすそうなお題は終わっちゃったんだ・・・ 残り一日、どんな題目をやるのかな?お題は「ココシュカ・ス・ブロシュカ」訳すと「ブローチをつけた雌鶏」ってとこかなァ・・・ まっ、近所で何か文化的なこと(?)をするんだし、おもしろそうだから散歩がてら行ってみよ~っと。
ソフィアでもブルガリアのほかの町でもけっこう街中に「オープンステージ」があります。場所にもよりますが、キャンプ場の「キャンプファイヤー」をする場所みたいだったり、もっとしっかりした「野外音楽堂」みたいだったり。共産体制時代には何かに使われていたのでしょうか?ウチからパザールに行く途中、学校の隣の整備された公園にそんなステージがあり、普段は買い物で疲れたお年寄りや学校帰りの若者たちの一服(?)の場所なのですが、今回初めて本来の目的にホントに使われるのを見ました!!
開演時間にはもういっぱいの子供たちや親子連れ!! テレビカメラも来てましたネ~。観客の一番後ろに着いたころにちょうど始まったようです。お話の内容は・・・
ニワトリのお母さんが卵を産んだのですが、一つ産み落としてもう一つ・・・ でも産まれてきたのは卵ではなく大きなボンボニ(飴)!! これはどうしたことか!! かわいいヒヨコたちではなく、甘~い砂糖のヒヨコが生まれちゃう!! とビックリして、その産まれたボンボニをブローチのように着けて友人のアヒルさんの所に行ったのですが・・・
彼女は何と白鳥の湖を踊りだして飛んで行き・・・
それではお医者さんに診察してもらおうと行ってみると、なんともいい加減な診察をされ・・・
王様のところに陳情にいくと王様は何も答えてくれない・・・
どうしたらいいの・・・ と指を空にかざして口に運んでみると・・・ 甘~い!! そうよ!! 空が甘くったっていいじゃない!! 甘~いヒヨコたちが生まれてきたっていいじゃない!! ニワトリがボンボニを産んだっていいじゃない!! だってみんな一人一人違うんだもんッ!!! じゃあ、がんばってもう一つ産んでみよう!! と巣箱(?)に戻ってがんばってみると・・・
もう一つホントに飴玉の詰まったボンボニが生まれたのでそれをみんなに配っちゃった!! 観客の子供たちに大ウケ!! 思わぬプレゼントに大はしゃぎです!! ただうれしすぎて(?)なかなかステージから降りてくれない! 女優さんが続けらんないジャン(笑)!!
なんとも手作り感のある衣装や小道具にインディーズ感がにじみ出ていますが、雌鶏のコミカルな動きや観客を巻き込むところなんかはさすがです。でも、その日は風が結構強かったし、
鳩やワンコがステージに入ってきそうになったり、飴を取りに来たちびっ子たちが思ったようにステージを下りてくれなかったり、演じている女優さんはけっこう大変そうでした。
でも、なによりもこのご時勢、インディーズで劇団をするのがもっと大変でしょう。この劇団、 調べてみると、ブルガリアはロドピ山脈の山の中、スモーリャンの劇団で、この演目で世界中を回ったそうですよ。 日本にも来たのかな? 演目が終わってステージ上で少しのインタビューとあいさつがあった後、たくさんの子供たちが女優さんのところに集まってサインをもらっていました。こんなきっかけで演劇を目指す子供たちが、この小さな観客たちの中から出るんでしょうかね?