JAZZ最中

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木を見て森を見る Faithful / Marcin Wasilewski

2011-04-18 23:01:23 | 聞いてますCDおすすめ


ンプル・アコースティック・トリオが、“TRIO”という名前でECMよりアルバムをだしたのが2006年でその後マルチン・ボシレフスキ・トリオにしてECMからは3枚目がリリースされました。
ボシレフスキは今年36才、おおハクエイ・キム君と同じ年、充実しているのでしょうね。
今回のアルバム、ECMに移って作た色合いを、深く安定させて、まさにECM・ピアノ・トリオ・アルバムの顔的な落ち着きです。
派手な部分を特に作らず、テンポもゆったりして、音色も以前よりもより柔らかく、かといって一つ一つの曲はそれぞれ美しく、一本の木の形、次の木の形と目を移せば、ボシレンスキの森の中で森の力を浴びているような気持ちになるのです。
1曲目、ハンス・アイスラーの曲はとにかくメロディも追っかけない、ゆったりとハーモニーの中にいることではじめます。こんな行きかたなかなかありません。
2曲目はオリジナルで、リズムが目立たないようで素晴らしく効いて来て、ベースのライン、ドラムスト一体感は16年以上も一緒だからの完結度、この緊密間はふつう出来ないのです。
3曲目はオーネット・コールマンの曲、オーネットのシンプルなブルースは、このトリオが2ndでオーネットの「something eles」から“When Will The Blues Leave?"を弾いているので違和感なし、シンプルなブルースを昇華させたような素晴らしい演奏になりました。
4曲目がオリジナルでこのトリオで聞いたことがあるような曲調で締まります。
5曲目がスタンダード、またとても美しい演奏、鍵盤を一つたたくごとに、思いを伝えている様な、この曲は小さなクラブで生できいてみたいですね、なぜかうちのソースでは音が少し割れます。もちろんうちがいけないのでしょうが。
6曲目がエルメート・パスコアールの“Oz Guizos”で、もちろんこちらは構えますと、なんと小宇宙を漂うような淡い展開で、このトリオのうまいところかと思います。
7曲目。8曲目はオリジナル、私たちが一つ一つ木の肌をさわり、枝にふれながらここまでくると、その木の下にある土や、そのまた下に流れる水が、このボシレフスキの森を構成しているを、そして私たちがその中で息をしていることを理解するのです。
9曲目はポール・ブレーのやはり先鋭的なブルースでしょうか、このような曲を選んで今とつなげているのでしょう。
その面白さと、オリジナルの締まりうまくマッチングしていました。
10曲目は、もはやここではとにかく落ち着いて、このアルバムの余韻でもあっても良いようなスーッと息が抜けるような終わり方です。
木々の中を抜けてきたけど、森の中を抜けたような精霊をあびて大きな息をつくことが出来ました。

Faithful / Marcin Wasilewski

Marcin Wasilewski (p)
Slawomir Kurkiewicz (b)
Michal Miskiewicz (ds)

1. An den kleinen Radioapparat
2. Night Train To You
3. Faithful
4. Mosaic
5. Ballad Of The Sad Young Men
6. Oz Guizos
7. Song For Swirek
8. Woke Up In The Desert
9. Big Foot
10. Lugano Lake
コメント (14)
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