中古屋さんなどで1960年台の録音のアルバムを拾うと、その年にマイルスとコルトレーンとエヴァンスがどんなアルバムを録音していたかを調べてしまいます。
60年後半、年を追って変化していったミュージシャンがどのような過程にいたか、確認したくなるからです。
このアルバムまさにその3人にとても近いミュージシャンが集まっていておどろいてしまいます。
このアルバムが録音されたのが1964年5月、CBSのテオ・マセロがボブ・ブルックマイヤーを中心にしてとても豪華なメンバーを集めました。
この年の3月にはヴァーヴはこのアルバムでメイン・ホーンともいえるソロをとるスタン・ゲッツが始めてビル・エヴァンスと初アルバムを作っていますが、そこにリズムがカーター、エルヴィンです。
6月にはマイルスのバンドとして、ハンコック、カーターは来日し「IN TOKYO」を録音しています。
そしてエルヴィン・ジョーンズは5月コルトレーンのもとで「クレッセント」を録音しているのです。
まさに時代を動かしているもしくは脇を固める面々が一同に解していたのです。
1曲目エルヴィンの軽快な(ヘェー)ハイハットのリズムでまずおどろくと、ゲッツのテナーが太いテナーになりつつあるころ、その後のハンコックの凛としたピアノのです。
ゲッツはこの年「Au Go Go」をハンコックは翌年「Maiden Voyage」を録音しているのです。
2曲目、スタン・ゲッツを大きくフューチャーしてのワン・ホーンのような“ミスティー”、マイヤーのバブル・トロンボーンがオブリガートをつとめて、最近ミスティー聴いていないので、これ良いです。
3曲目テーマの後はバートン、オーソドックスなスタイルの中に、この後のRCAでの劇的な変化を予感させます。RCAとそれ以前のアルバムをつなぐ演奏として、これを手に入れたのはとても嬉しい。
6曲目、フッとエルヴィンのドラムスに耳がいきます。ゲッツやハンコックの見事なソロが並ぶのは、ブルックマイヤーのアレンジが秀逸で整っているからで、それぞれのプレーヤーの良いところを順繰りときかせてくれるのです。ロン・カーターも目立たないけど、それがまた良い。
というようにゲッツやハンコックと素晴らしいソロとリズムがつづいて、ブルックマイヤーをうっかり忘れてしまうけど、アレンジはいいし、テオ・マセオと共にこれはお礼物です。
BOB BROOKMEYER & FRIENDS
Bob Brookmeyer(tb)
Stan Getz(ts)
Herbie Hancock(p)
Gary Burton(vib)
Ron Carter(b)
Elvin jones(ds)
1. Jive Hoot
2. Misty
3. The Wrinkle
4. Bracket
5. Skylark
6. Sometime Ago
7. I've Grown Accustomed To Her Face
8. Who Cares