しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

「奥の細道」卯の花に兼房みゆる白毛かな  (岩手県平泉)

2024年08月13日 | 旅と文学(奥の細道)

兼房は高館で、義経夫婦が自害したことを見届けた。
その後、館に火を放ち、壮烈な最期を遂げた人。

そのことは【義経記】に記されているが、
現在では架空の人とされている。

 

 

 

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旅の場所・岩手県西磐井郡平泉町 ” 世界遺産” 毛越寺(もうつうじ)   
旅の日・2019年6月30日           
書名・奥の細道
原作者・松尾芭蕉

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「芭蕉物語」  麻生磯次 新潮社 昭和50年発行


曽良は増尾十郎兼房の奮戦の有様を想像していた。
兼房は初め大納言久我時忠の臣であったが、時忠の娘が義経の正妻となったので乳人役であった兼房は義経の臣となった。
高館最後の日に、泣く泣く義経の妻子を刀にかけ、館に火を放ち、
長崎次郎を死出の道連れにして猛火に飛びこみ、壮烈な最後をとげた。
六十三歳の老齢であった。
折から咲き乱れる卯の花を見ると、白髪をふり乱して奮戦した兼房の姿が、髣髴と眼前に現われてくる。
そこでこういう句を作った。

卯の花に兼房みゆる白毛かな  曾良

卯の花を白毛に見立て、幻想的な趣向、芭蕉の句の余韻・・・をひびかせているといえるかも知れない。

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