しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

ウミボタル(夜光虫)の採取

2018年05月10日 | 昭和20年(終戦まで)
茂平の水尻海岸に夜光虫がいた。
夏休みの夜、磯で海中に光る夜光虫を両手ですくった。
手のひらで、不思議な光が海水にゆれ、指から夜光虫は夜の海に落ちた。
夏休みの記憶として残っている。


「笠岡市史3」と「日本の戦争と動物たち2」より転記する。


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笠岡市史3巻 平成8年発行

ウミボタルの採取

笠岡市域の国民学校のうち、島地部や海岸に面した学校では、夏の夜浜辺に出てウミボタルを採取する作業が子供たちの手で行われた。
子供たちは教師から兵隊さんたちのためにウミボタルを集めなさいと言われて懸命に頑張った。バケツの中に落とし、家に持ち帰り、乾燥させて学校へ提出する。
ウミボタルが何の役に立つのか。先生の話では、飛行機の高度計の盤の中に入れると明るくなるからだとか、敵が上陸してくる辺りに大量にばらまいておくと、敵が走る度に足元が光って見えるからだとか聞かされたという話であるが、実戦において、どのようにそのウミボタルが使われたのかは、今もってはっきりとは分からないそうである。


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日本の戦争と動物たち2巻 汐文社 2018年発行

ウミホタル

アジア太平洋戦争の終わりごろ、日本軍はウミホタルを戦いの道具にしようと考え、研究をはじめました。
ウミホタルがいる千葉・館山では、軍の命令で子どもたちが採集したことが、旧制安房中学の勤労動員作業記録に残っています。

≪どのように使われたの?≫
ウミホタルの光をつかった懐中電灯

乾燥させたウミホタルに水をかけると、光ることがわかりました。
そこで、乾燥させたウミホタルを兵士に持たせ、暗い夜などにつかおうと考えたのです。
戦場であるシンガポールに、たくさんのウミホタルの粉をかめにつけて送りました。しかし、その粉に水をかけても、少しも光りませんでした。

ウミホタルの照明弾
夜、敵の軍艦を明るく照らすことができれば、目印となり特攻隊が体当たりしやすいと考えました。
昭和20年7月ごろ、乾燥させたウミホタルを米ぬかにまぜてばらまくと、20分くらい光らせることができるという発見しました。
しかし敗戦まじかだったので、ウミホタルの照明弾はつかわれずに終わりました。


コメント
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