恩田陸 著
ガラスの仮面だ~!と思った。
実際あとがきにも影響を受けたことが明記してある。
天才を天才と納得させるための描写やエピソードは本当によくできている。
キャラクターもいきいきとしていて、最後までだれない。
面白い。
恵まれた芸能一家に生まれた響子は、そのありあまる環境をフル活用して、
さらに高みをめざす。
突然見出された飛鳥は、自分の立ち位置とあふれる才能に戸惑いながらも、
際限なく広がる未来を感じさせる。
老年の名女優がオーディションを受ける場面が全体を引き締めるスパイスの
ようで、個人的にはとても印象的だった。
表からも裏からも、舞台をつくるということをよく知ったうえで書かれた
物語だと思う。著者は文句なく芝居が好きなのだろう。その“好き”に
気持ちよく乗れる。
反面、芝居を愛するがゆえのくさみや独自のこだわりも強いと思う。
いやいや演劇をテーマにした本書でそれを言ってしまうと元も子もないが。
たとえば著者の作品の中でも好きな「麦の海に沈む果実」の中で、
誰をもひきつけ、数多くのきょうだいの中で突出した存在として父に愛される
主人公・理瀬の魅力を語るとき、彼女の聡明さを表す数々のエピソードに加えて
「どんな人物も完璧に演じてみせた」という表現がある。
ほかの魅力には納得できたが、これには違和感があったのだ。
だって女優をめざしてるわけでもダンサーをやりたいわけでもないんだよ?
と、かすかなひっかかりを残しつつも、満足感はしっかりあった。
ガラスの仮面だ~!と思った。
実際あとがきにも影響を受けたことが明記してある。
天才を天才と納得させるための描写やエピソードは本当によくできている。
キャラクターもいきいきとしていて、最後までだれない。
面白い。
恵まれた芸能一家に生まれた響子は、そのありあまる環境をフル活用して、
さらに高みをめざす。
突然見出された飛鳥は、自分の立ち位置とあふれる才能に戸惑いながらも、
際限なく広がる未来を感じさせる。
老年の名女優がオーディションを受ける場面が全体を引き締めるスパイスの
ようで、個人的にはとても印象的だった。
表からも裏からも、舞台をつくるということをよく知ったうえで書かれた
物語だと思う。著者は文句なく芝居が好きなのだろう。その“好き”に
気持ちよく乗れる。
反面、芝居を愛するがゆえのくさみや独自のこだわりも強いと思う。
いやいや演劇をテーマにした本書でそれを言ってしまうと元も子もないが。
たとえば著者の作品の中でも好きな「麦の海に沈む果実」の中で、
誰をもひきつけ、数多くのきょうだいの中で突出した存在として父に愛される
主人公・理瀬の魅力を語るとき、彼女の聡明さを表す数々のエピソードに加えて
「どんな人物も完璧に演じてみせた」という表現がある。
ほかの魅力には納得できたが、これには違和感があったのだ。
だって女優をめざしてるわけでもダンサーをやりたいわけでもないんだよ?
と、かすかなひっかかりを残しつつも、満足感はしっかりあった。
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