息をするように本を読む

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と、なんだかだらだら日常のことなども

黄昏の百合の骨

2013-01-04 10:04:18 | 恩田陸
恩田陸 著

不思議な少女・水野理瀬が登場する一連の物語。
時系列は「三月は深き紅の淵を」→「麦の海に沈む果実」→「黄昏の百合の骨」となる。

青の丘にある全寮制の学校を去った理瀬。
失った記憶を取り戻し、自分が背負ういわば世の中の暗黒面を引き受ける運命を理解した。
そして「理瀬に半年間住んで欲しい」という遺言通り、
かつて祖母が住んでいた長崎の洋館に身を寄せる。
ここは白百合荘と呼ばれ、いつも百合の花が香っていた。
別名・魔女の館。現在は理瀬の親族である梨南子と梨耶子が住んでいる。

いくら落ち着いていても15歳。不安や心の揺れはある。

理瀬が触れ合うごく普通の高校生たちの無邪気さ、必死さは
一方で理瀬が失い、二度と手に入らないものを見せ付けられるようでせつない。

同じ家に住みながら、騙し騙されていく一族。
青の丘にいた頃は飛びぬけた冷静さと聡明さを見せた理瀬であるが、
百戦錬磨の大人たちを相手にすると、やはり精彩を欠く。
見抜けないままに陰謀に巻き込まれていく。

ラストはあれっ?という感じ。
ありがちなんだけど方向が意外だったというか。

これからの理瀬がどう生きていくのか。どんな運命に出会うのか。
このシリーズ目が離せない。

ちなみにこれってオランダ坂とか活水女子学院がモデルだよね。
長崎出身としては懐かしい反面つっこみどころもあったなあ。

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