息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

中庭の出来事

2013-02-02 10:28:23 | 恩田陸
恩田陸 著

余韻がたっぷり残るミステリ。
きちんと頭を整理しながら読まないと、あっという間に混乱する。

というのも、構成が複雑。
入れ子というか、真偽が混じり合っているというか、
どこまでが現実なのかがわからないままラストに突入する感じだ。

だからきっと好みは分かれると思う。
わけがわからないまま、つまらなかったという人がいても不思議はない。
そもそもこれってケータイ文庫で配信されたとか。
ええ~っ、それはキツイです。
ちょこちょこ読んだら消化不良もいいとこだし、混乱の極みであろう。

脚本家が中庭で衆人環視の中殺された。
そこにいた女優は同じ中庭で犯人を追い詰め、犯人は毒殺される──
というところから始まるのだが、そもそもこれが実際にあったことなのか、
読み進めるうちにそこから疑問。

死んだはずの人が後ほど登場したり、前後の物語がひとつになってしまったり。
あらすじを語れといわれても、こんなわけわからないことになるので無理。

恩田作品の中でも、演劇がらみのものはあまり得意ではないのだが、
これはミステリ色が強いせいか、なかなか楽しめた。
でもお芝居好きな人のほうがより楽しめるかも。

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