息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

メガロマニア

2013-02-21 10:38:19 | 恩田陸
恩田陸 著

ずっと昔から心を捉えて離さないマヤ文明。
その遺跡を自分の目で見るために、南米への怒涛の旅が始まった。
マヤ文明の基礎知識がきちんとおさらいしてあるし、それぞれの遺跡の背景も
ちゃんと書かれているし、そこまでの行程も含めてとても興味深い。

カリフォルニアからユカタン半島へ、そしてペルーの山岳地帯へ。
実にフライトのみで11回。
それ以外だって車での移動しっぱなし。
車酔いしやすい私にはひえ~という感じだ。
マヤ文明には正直興味がある。マチュピチュも一度は見てみたい。
しか~し、遺跡のすぐ下に延々と連なるヘアピンカーブ……無理かも。

このハードスケジュールを難なくこなし、自らの足と目とたくさんの写真とで
構成された本書だが、とにかく要素が多すぎて本当に記録という感じ。
それがよくもあり悪くもあり。
著者の目で見たストレートな感想は、飾り気もなにもないからこそリアルだ。
その一面で駆け足旅行のメモみたいになっていて、読み物としてはやや寂しい。
そんなものと思って読めば面白いから、個人的には大満足なのだが。

熱帯雨林の湿度とか、高地の薄い空気と強い紫外線とか、過酷な気候が
多いのだが、その後で飲む夕食時のビールの描写が秀逸。
この人の書くビール本当に美味しそうなのだ。
そして飲まずにいられなくなるというね。

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