息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

魔女の笑窪

2012-01-19 10:19:32 | 著者名 あ行
大沢在昌 著

男の真の姿を見抜くという裏社会のコンサルタント・水原。
彼女は実の祖母に売られ、通称地獄島といわれる売春島で働き、
さらにそこから脱走したという恐ろしい経験の持ち主だった。

当然地獄島の関係者は今でも彼女を追い続けており、彼女を
逃がした男は殺されている。
地獄の番人とは誰なのか。
彼女が捨ててきたはずの過去の関係者が殺され、二度と思い出したくない
地獄島との対決へと追い込まれていく。

闇の世界の執拗な追跡。逃れられない恐ろしさ。
絶対に縁のない世界なのになぜか感じるリアリティ。
そしてわずか14歳でその世界に身を沈めることになった少女の絶望。
風俗の世界で言い伝えられる“ヤバイ”鉄味の男。
……ありそうなんだなあ。そこがまた怖い。

そして登場人物がみんななかなかのキレ者。
裏の裏まで読んでさらに裏をかくような。
そこがまた面白い。
賢くタフで人脈もスゴイ。
これぞハードボイルドの魅力なんだろうか。

あまりこの手の作品を読んだことがなかったのだが、
これはなかなか楽しめた。