息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

ラッシュライフ

2012-01-04 10:58:13 | 著者名 あ行
伊坂幸太郎 著

全く関係がない、と思える5つの物語。
それは群像画のなかで別々の方向を向いて立つ人々のようで、
また永遠に出会わないエッシャーのだまし絵の中の人々のようで。

それが徐々に関係を持ち始める。

ある場所 ある時間

小さな接点だけが共通点。
そして個々の運命は暗い方向へと転がっていく。

初めは訳が分からないのだが、リンクがつながっていくごとに
面白さが加速する。
そこここにお洒落な雰囲気があり、それぞれの登場人物の
キャラクターも魅力的。
時間軸がずれていき、視点が変わるという複雑な構成なのに
少しもぶれがなく進んでいくのも見事。

すらすらと読めてあっという間に読了することができるが、
実はそれではもったいない。
何度も読み返すと細かい発見がたくさんある。
そしてそれに気づくとさらに面白さがアップする。