田中聡 著
日本の歴史は神話から始まる。
そしてそこには荒ぶる神や人に害を与える怨霊など、
「おそれ」のもとになる“もの”が存在する。
ものは古の時代、霊と一体であった。
それが排除され物質となり、人は自然を見出したという。
面白かったのは冒頭の「ひとつ」の話。
古代はひとつ火が忌まれていたという話から、ひとつという意味を
解説している。
ひとつは1ではない。
「一度いらしてください」は1回ということではないし、
「○○のため一日出かけた」という一も1とは違う。
これは兆しなのだという。深い。
霊的存在は時代によって変遷し、「物の怪」「心の闇」などに
なっていく。
平城京は「怨霊」の生まれた場所である。
政権争い、天変地異、疫病。
不可抗力であったさまざまな事象はすべて怨霊のせいとされた。
そしてそれにはもちろん、それを祓うということにつながっていく。
現代でも話題となる「幽霊」ついても言及する。
結局人間ってあまり変わっていないのかもしれないと思ったり。
そして神話とはそのままの出来事ではなかったとしても、
事実をかなり的確に言い当てているのかなあと感じたり。
幅広い文献からの引用があり、わかりやすい解説があるため、
あやふやでつたない知識を整理するのにも役立った。
日本の歴史は神話から始まる。
そしてそこには荒ぶる神や人に害を与える怨霊など、
「おそれ」のもとになる“もの”が存在する。
ものは古の時代、霊と一体であった。
それが排除され物質となり、人は自然を見出したという。
面白かったのは冒頭の「ひとつ」の話。
古代はひとつ火が忌まれていたという話から、ひとつという意味を
解説している。
ひとつは1ではない。
「一度いらしてください」は1回ということではないし、
「○○のため一日出かけた」という一も1とは違う。
これは兆しなのだという。深い。
霊的存在は時代によって変遷し、「物の怪」「心の闇」などに
なっていく。
平城京は「怨霊」の生まれた場所である。
政権争い、天変地異、疫病。
不可抗力であったさまざまな事象はすべて怨霊のせいとされた。
そしてそれにはもちろん、それを祓うということにつながっていく。
現代でも話題となる「幽霊」ついても言及する。
結局人間ってあまり変わっていないのかもしれないと思ったり。
そして神話とはそのままの出来事ではなかったとしても、
事実をかなり的確に言い当てているのかなあと感じたり。
幅広い文献からの引用があり、わかりやすい解説があるため、
あやふやでつたない知識を整理するのにも役立った。