花山の思い 31番長命寺と結婚式

 その昔、武内(かけのうち)宿禰(すくね)という者がいた。
 ある時、琵琶湖のほとりにあった大層長命な柳の木に「寿命長遠所願成就」の八文字を刻んだ。

 この柳が霊木だったのだろう。宿禰は300年長生きしたという。

 その後になって、聖徳太子がこの柳の木で仏さまを彫った。
 これが西国33観音霊場の31番長命寺の秘仏とされる本尊、観音さまである。

 一般に観音さまは髪飾りをつけていて、その飾りがピラピラと揺れる。まるで柳の枝葉のようだ。――これがわからないと、花山法王が奉納した御詠歌もわからない。

「八千歳(やちとせ)や 柳に長き いのちでら(命寺) 運ぶ歩みの かざしなるらん」

 8千年というくらいくにかく長い時を保ってくれる、柳で掘られた観音さまがお祭りされている長命寺である。その本尊さまの御利益をこうして巡礼する私たちの髪飾りのように頂戴して、足を進めていくのだなあ。

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  夜の10時になると、そろそろ寝ないと次の日がもたない……そんな日程がここ一カ月ほど続いております(つまり普通というこですな。ぎゃはは)。

 今日は東京の明治大学、死生学研究室主催のシンポジューム『生と死を巡る私たちの未来』の最後に、仲間9人と声明を30分唱えさせていただきました。

「名取さん、お金がない研究室だから、お布施も出ないけど、懇親会ではお酒はいくらでも飲んでいいからさ」――そんな上手な誘い文句を言う人がいるんです。どはは。
 声明が終わったのは17時30分。20時まで大学のパーティー会場で、お言葉通りに、しこたまいただいて帰宅。
 
 なぜ、こんなに早く帰ってきたかって言うと……明日はエンディングプランナーをしているK君とYさんの結婚式が密蔵院であるからです。超宗派のお坊さんなどがよってたかって二人の結婚式をやります。

 参列者55人の結婚式。全員がそのままディズニーランドそばの披露宴に参加します。
 私は結婚式の戒師(キリスト教で言えば牧師さん、神道で言えば神主さんというところ)。そして披露宴の司会。否、それよりもまず、会場となるお寺の住職ですから、まず迎える準備があるのでございます。

 忙しすぎて、その準備もままならぬ……わははは。まあ、おめでたいことに免じてお許しいただこうかと思います。
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