鏡と童心

 昨日は20年来の知り合いの獣医さんに頼まれて、私的なグループ9人の方相手に『般若心経』について90分、お話をさせていただきました。
 「般若心経」を読んだことがない方々に、90分で「般若心経」の話をするのは初の試み。

 アウトラインというか、大雑把と言いますか……。私としては、人気のある「般若心経」が、暮らしの中で活用できることをメインに話を展開……。

 すると、途中の質問コーナーで、

「自分の顔は鏡か写真でしか見られないけど、実はそれは左右反転した自分の顔で、実像とは違う。見たり聞いたりするものが、実は真実の姿と異なっている--そんなことも般若心経は言ってるの?」
「はあ、そうとも言えるでしょう」

すると別の紳士が
「般若心経は、いつでも童心のような心で、素直に全てのものを見ていく心を言っているのでしょうか」
「はあ、そうとも言えるでしょう」

--ということで、多くの善良な方々は、大切なことが何かを「般若心経」を読まなくても、分かっておいでなのです(ただし、般若心経が言わんとすることは、上記のポイント以外にも膨大なものがあります)。

 フェイス・トゥー・フェイスの場は、人数が少なくて布教としては効率的ではないにせよ、やはりいいものです。大切にしたいと思います。
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Living お寺

今日は今日とて、月に一回の密蔵院の読経の会(お寺講)の日。

折よく、区内廻りで密蔵院で立ち寄りし30名の方々。

読経終了後に、一緒に本堂へお入りいただき、総勢50名で密蔵院の生い立ちなどについて語る。

ことはついでとばかりに、「本日参詣善男善女、身体健康、息災延命、心願成就のために」太鼓で心経を、4倍速で唱える。息がきれた……。

お寺は生き物である。否、生かさなければ仕方がないと思う本日でした。

東京はやっと雨らしい雨。雨大好きな私にとっては嬉しい一日でしたナ……。
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ご詠歌たいかい in 滋賀

今日は年に一度の豊山流のご詠歌の全国大会。米原文化会館でした。950名の参加。
江戸川からは、バス二台の61名が参加でした。
こう書くと、今日のイベントのように聞こえるかもしれませんが、その裏側には、私の場合、毎月3回程度のご詠歌の練習があります。

今の私を作ってくれたのが、このご詠歌を通した活動と言っても過言ではありません。
25年間、いろいろな所で毎年150回はご詠歌のお稽古をしてきたでしょう。

今日は参加支部44団体のうち、22支部の奉詠の講評でした。楽しかった。
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人情盛り沢山

今日の浪曲の出し物は……

『三日の娑婆』(あづまりえ)
 江戸で火事がおきて、牢屋も焼けてしまうので三日間だけ自由の身になった罪人。妻と子どもに会いに行くが……。すでに二人は人の妻子。さてさて、父親と新しい旦那と妻子と、罪人が織りなすみごとな人情話。

『人情 櫓太鼓』(春日井あかり)
 病弱な母を抱えた相撲取りが、かつての強さはどこへやら……。許嫁の父と横綱が取った人情話。やるじゃねぇか。

『水戸黄門漫遊気 兵庫の段』(港家小柳)
 意地悪な継母にいじめられる11歳の娘と、病気で漬け物小屋に入れられた父。その宿屋に宿泊した黄門主従……。さて、痛快なお裁きは……。メデタシ、メデタシの爽快感!

『乃木将軍と松岡少年』(東家三楽)
 旅順の軍(いくさ)で父を無くした松岡少年と、その軍を指揮した乃木希典。闘い終えて、東京は本所での物語。随所に笑いを含めて、明治天皇を追って切腹した乃木希典将軍。乃木の中では戦いは終わっていなかった……。泣きのトリも、見事な貫祿の三楽師匠。

 次回は12月17日、午後1時~です。

 おっと、そろそろ「命の源」の時間だ。
 何?「命の源」って何?
 ごはんでございます。
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取材される時

 8月の朝日新聞夕刊に『聲明ライブ』の記事が出て以来、ロイター、『サイゾー』が聲明ライブの取材に来てくれていましたが……。

 が、この『サイゾー』の影響力はすさまじいもの。マスコミの方々は要チェックの月刊誌なのだということがわかりました。

 昨夜のライブには、フジテレビ、東京FM、雑誌『東京生活』の3社が取材に来店。お店には『日刊スポーツ』からも連絡があったとか……。

 来月もロイター経由で、外国のメディアが取材にきてくれるらしいです。

 どれもが、「外でも活動しているお坊さんがいる」といった好意的な取材をしてくれているようで、嬉しい限りです。

 伝統的な「聲明」という手段で、5年間毎月、誠実にやってきたという積み重ねのおかげで、取材に対して臆することなく、質問にもあけっぴろげに正直に答えられるようになったのだな……と実感した昨夜でした。

 チピーのママさん、一緒にやってくれたPUANのお二人、そして来ていただいた皆さん、取材スタッフが右往左往してご迷惑をおかけしました。
 ありがとうございました。

 22日(月)は、午後1時より、密蔵院客殿で『浪曲の会』です。たっぷり4席お楽しみいただきます(無料、司会進行住職)。お誘い合わせの上、ご来寺ください。
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猫の意味

今日、諸事情があって、お寺を継ぐことになった女性と話をした。
彼女、いわく---

「私は犬派なのに、この間お寺の玄関先でしゃがんで泣いていたら、いつもは寄ってきたことのない野良猫がすり寄ってきたんです。それに今日はマンションを出る時に、いつもは知らぬふりをしている猫が玄関先でちょこんと座って私の顔を見上げて鳴いて離れないんです。これって、何か意味があるんでしょうか?」

--「少なくとも、日常と違ったことが身の上にふりかかったことに、『何かの意味があるはずだ』と思いたいという、心の状態にあなたがあることは確かなような気がするよ」と答えた。

 自分のしたこと、自分の身におこったことに何らかの意味があるはずがと思いたい人は私の周りにも多い。

 今日の天気が自分にとってどんな意味があるのか……何十万という人に起こっていることが、私個人に対して特別な意味があるように思うのは、少なくとも自分の心がそれを望んでいるからだろう。

 あるがままを、そのまま受け取っていく。意味は考えない、そんな強い生き方をしていられたらと思う。
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カンボジア、地雷ぜろ。井戸もっと!ライブ。

10月14日(日)
午後3時~(開場午後2時30分)
もっとい不動 密蔵院

900万個がまだ、処理されずに、居住地域に残っているカンボジアの地雷。そして、足りない水……。

「できることから始めよう」をモットーにしている

青春の応援団長、シンガーソングライター森源太のライブをメインに、

メイクヘブンカンボジア駐在のえみぽん&笑顔を増やす写真家平井慶祐のトークライブ。

そして、『仏教ってこんなに面白いのか!コーナー』は、私が担当します。

大人1,500円(高校生1,000円)

直接、密蔵院へどうぞ。

そにしても、どうして10月の日曜日は、こんなにイベントが多いのでしょう?
毎週アチコチで、色々なことが行われています。
これを見ると、日本は、かなり元気です。
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記録媒体

 記録媒体、特に音や映像を記録するモノがこの30年ほどで次々に変化してきた。

 で、どうしても欲しいと思ったのが、カセットテープをCDにする機械だ。

 普通はデジタルオーディオプレーヤーにカセットテープを一度入れ、次にそれをパソコンへ落とす。しかる後に、CDに焼くという作業になるのだが、私にはそんな時間はない。

 しかし、私の手元には、3人からお借りしている浪曲のカセットテープが80本もあるのだ。
 すべて一度は聞かせて頂いたが、返却してしまえばもう聞くことはできないし、まして、マイカーには、すでにカセットテープを聞ける機械は搭載されていない。されていても、テープはのび~~~るから心配だ。

 で、インターネットで捜したら……あった!
 一台の機械で、カセットテープの音源をいきなり、CDに焼ける機械である。

 その機械が密蔵院に届いてから既に一カ月たつのだが、残念ながらまだ梱包を解いている暇がない。今年中に作業にかかれるといいなあと思っている。

 本来は浮世の義理人情は説かない仏教だが、浪曲の[泣き]の世界は、仏教や仏道に近づく素晴らしい媒体だと思うのです。
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小春日和

小春日和とは、秋に使う言葉だと知ったのは中学生の時だった。

朝からスカッと晴れた10月の秋の日は、湿度が低くて気持がいい。思わず、両腕を掌で触りたくなる。サラサラである。

爽やかだし、もう10月だから、着物という日本文化を着用する私たちは、既に衣替えの筈だ。

季節の大切な節目である衣替え……これをしっかりやっていないと「知っている人からは『10月なのに夏物の着物をきている……』とバカにされることになる」とは、家内の弁。うははは。

しかし、小春日和では、とても冬物など着れないではないか。だいたい、旧暦ではまだ8月の下旬だぞと反論しようとしたが、級れ苦でも8月は秋だった。トホホホ。

今日は、住職室の白衣やら衣の入れ換えをすることにした。

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「上手に」よりも「ていねいに」

 参加者24名(全員がご詠歌関係者)の西国観音霊場巡拝第一回目も、全員病気も怪我もなく無事に帰ってまいりました。

 過去10年以上、各お寺でなるべく、分かりやすい説明を心がけているつもりなのですが、どうも、心ここにあらずという方もいらっしゃるようで「へぇ、初めてききました」と言う御仁も……。めげずに同じことを申し上げて、いくらかでも、有意義なお参りにしていただこうと思いました。

 変わって本日は、ご詠歌の検定試験の検定委員。30名近い受験者の中で、80歳半ばのご婦人(ご詠歌歴30年)の唱えたご詠歌は、絶品でした。
 3年ほど前までは「上手に唱えよう」という意気込みがまさっていた元気な方でしたが、今日は入院中の病院から外出しての検定でした。
 そのご詠歌が「上手」を越えた「丁寧な」奉詠でした。感動ものです。

 きっと生き方も同じなのだと思います。
「上手に」生きるより、「丁寧に」生きるほうが、ずっと充実したものになると確信するに足る奉詠だったのです。
 ご婦人は、奉詠後、すぐに病院へ戻られました。
 
 私も木更津からの帰り道は「上手な」運転よりも「丁寧な」運転を心がけました。

 「上手」より「丁寧」……。 
 私の人生の一つの修正ができた日のような気がします。鶴岡さん、ありがとうございました。お大事に!
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