花山( かざん)法皇;の思い 第十五番札所(時系列)

〔昔より 立つとは知らず 今熊野 仏の誓い あらたなりけり〕

世の中には「へぇ、そうだったんだ」ということが往々にしてあるもの。
花山法王もそうだったのか……

「弘法大師が開祖だと思っていた泉涌寺(せんにゅうじ)だと思っていたら、それより昔から、熊野の地と縁がある観音様が、ここにはおいでだったのですね。そう思うと、昔のこととはいいながらあらためてこの仏様の御利益を願わずにはいられません」
――まあ、そういう意味だろうと思います。

「昔より」と「今熊野」で、昔と今を対比させて、さらにあらたで「新た」をつなげ ていく手法はなかなか見事ですね。

いったい、私は、「昔」と「今」と「あらた」をどのように心の中でつなぎ合わせるようなことを体験しているのだろうと思います。

「昔はこうだった」、「でも今じゃこうだ」、でも(だから)、「これからは新たな思いで、こうしていこうと思う」―――見事な時系列な発想と言葉のつむぎ方をしたご詠歌ですね。

国霊場ホームページ⇒http://www.saikoku33.gr.jp/

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 今日はご詠歌を勉強中の若手の先生の卵5人の〔自主トレ in 密蔵院〕を10時から15時30分まで。
 一人一人の唱え癖に耳をそばだてて注意力を持続させるのは、楽しい時間です。

 自主トレーニングの監督役を終えてから、東京は白山(はくさん)にある東洋大学へ。
 年末に講義の演習科目の中、「仏教の伝統歌謡」という4コマをいただいて、20才学生さんたちに「ご詠歌」を伝えちゃおうという企画。
 いわゆる二部の学生さんたち向けの講座ですが、おお、おもしねえ。
 わっしのご詠歌と語りが、どこまで通用するか、ひとつやってみましょうって心持ちであります。

 加えてあすの夜は、密蔵院はえらいことになりそうな予感・・・それはまた明日のお話をお楽しみに。
 もう寝ないと、絶対に明日もたないわい。ぎゃははは。
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