花山の思い 十四番札所(湖面の月)

出(い)づ入(い)るや 波間の月を 三井寺の 
鐘の響きに 空(あ)くる湖(みずうみ)

「月を三井」は「月を見る」にかけてります。

琵琶湖を眼下に望むこの三井寺(みいでら)。海とも見まごう、その湖の波間に映る月影は出て、そして沈んでいく。そんな時間を暫(しば)し楽しんでいる間に、三井寺の朝の鐘が聞こえてきて夜があけてしまう。
――そんな情景を詠んだ歌でしょうか。

 もとより、出たり入ったりすることも諸行無常のたとえ。
もとをただせば水なり、のその表面に立つ波も現象世界の無常のたとえ。
こうした諸行無常の中にあって、十一面観音をまつっている三井寺の、早朝の鐘は、まさに観音さまの説法であり、(諸行無常のあり方を常住と勘違いしてしまう)煩悩の闇も夜があけるように、悟りの世界へと導いてくれることだ。
――そんな意味が裏側にあります。

こういう心のあり方は、一人、もしくは少人数でないと形成されません。
花山法皇はこの歌が浮かんだ時、一人だったのだろうか……そんなことを思ってしまいます。

さて次回は、JRが“夏が終わり秋になる前”みたいな宣伝中の(たぶん東日本だけ)「そうだ京都へ行こう」のお寺、京都は泉涌寺(せんにゅうじ)の中にある、今熊野(いまくまの)観音堂のご詠歌をご紹介したします。

国霊場ホームページ⇒http://www.saikoku33.gr.jp/


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良かった、今日中にアップできた・・・。
今日の東京の月は綺麗でした。アワタダシイ日々の中で、清涼感を覚えるほどの秋の月でした。明日からは雨模様の予報。
そしてまた、台風の情報が。 来週からの小豆島88ケ所の巡礼は大丈夫だろうか・・と少々ワクワクしてます。ぎゃはははは。
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