花山の思い 20番札所 善峯寺(よしみねでら)

 西国20番札所、善峯寺にお参りした花山法皇が奉納したとされるご詠歌は……

  野をも過ぎ 山路に向かう 雨の空 善峯よりも はるる夕立

 大意:自分は今、何キロも野をたどってきて、また山路に向かうので、なかなか困難なことです。それにまた、雨模様になって夕立がやってきました。これは困ったことだと思っているうちに、ふと仰ぎ見ると、善峯山の法から、その夕立も晴れ染めてきて、やれやれ助かりました。
 有為転変の娑婆の荒れ野や剣山を通るのに、夕立という恐ろしい遮蔽物さえ加わってきて、大変なことになりましたが、ありがたいことには、善峯観音の御利益で、罪業消滅、心の曇りも晴れてきました。(『西国33カ所ご詠歌新釈』より、現代文にかえました。名取)

 出典の『新釈』の解説で、面白い解説を見つけました。
 著者の堤達也さんはこの本を書いた時、東京大学講師。初版が昭和11年です。

 この中で「夕立」の説明がこんなふうにしてあります。

   「夕立:夕立雨の略です。」と。夕立雨???

 私の手元にある古語辞典を引いても「夕立雨」という言葉はありません。もちろん大辞林にもありません。「夕立雲」はありますが。

でも、なるほど、夕方に立つ雨でないとおかしいものねぇ。夕立という言葉の中には「雨」という意味はありませんものね。やはり「夕立雨」の略なんですねぇ。

 全国的に天気が急変しているみたいですね。東京も、雨が振ったり晴れ間がでたり、そしてまた曇ったり……。ジェットコースターウェザーです。わははは。

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 今日は今日とて、『写仏の庭』。
 昼の部が終わってから、かわいくて、素敵で、おしゃれなベビー服を作っている白金台のグースカンパニーの社長さんたちが来寺。http://goosecompany.com/

 ホームページ上で、いろいろな方と対談を行って、丁寧なページを作っていらっしゃいます(哀川翔さんとか、 岡田美里さんなど個性的な方と対談されていらっしゃいます)。
どんなページになるか楽しみです(喋りっぱなしだったからなあ……)。

 ということで、夜の写仏の会は長男に任せて私はお通夜です。
 癌の宣告を受けても私の前では明るく振る舞っていた奥さんでした。
 今日はしっかり仏教徒になっていただいて、
 明日はお坊さんになってもらって、大きな大きな仏の世界へとお送り申しようと思います。
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