大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

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川崎・風間監督が見せた修正範囲とその限界~ナビスコ準決勝を振り返って

2014-10-13 22:51:08 | ガンバ大阪
川崎の風間監督は、一般的に相手によってやり方を変えずに自分たちのスタイルを貫く、ということで知られているわけだけども、だからといって、試合を進めて行くディテールまでが毎試合全く同じってわけではない(そのことは川崎サポの人たちが一番よく解って居るとは思うが)。勿論この人にはパスサッカーで勝つという明確な目標はあるけども、その戦略を達成する為の引き出しというのはいくつか持っているということがナビスコカップ準決勝で川崎と2試合やって感じたことだった。

それは端的には2nd legの前半の最初の部分に現れていた。即ち、万博ラウンドでは真ん中から切り崩そうとして、こちらの鯔やSHのチェックによってクサビを入れるパスのコースが限定されたところを最終ラインに再三カットされていたわけだけども、等々力ラウンドにおいては、自軍のボランチの山本と大島には距離を取らせてこちらのWボランチコンビが容易に食いつけないようにし、大外でのボール回しでこちらを揺さぶりに出た。そしてボールをロストしても、前半4分過ぎに大島がかなり高い位置にまでプレスを掛けにきたように、この試合の最初の時間帯に限定してラッシュを掛けてゴールを奪って主導権を握ろうとしていた。

まあ、こちらとしても連戦による疲労で2トップがなかなか大島のところを見れず(途中からパトが下がって大島をチェックし出したが)、その結果田中裕介へのスルーパスを出されてあわや、という場面があったんだけども・・・あれで0-2とされていたら危なかったけどもね。このような状況になると相手への鯔をどう見るか、という問題は出てくる。

そして、冒頭で述べた川崎の大外からの揺さぶりとなった場合に問題になるのは、

1.レナトのドリブルへの対応
2.クロスへの跳ね返し

ってことになる。まあ、その意味では、2についてなんだけども、岩下には簡単に負けて欲しくはなかったんよね・・・最初の失点は大久保がマークを外すのが上手かったし、その前にこちらから見た左サイドで3対3の状況から自分の目の前が野ざらしになったことで、ポジションへの戻りに若干ズレが生じたかもしれないけども、ジェシには競り負けて欲しくなかったんよね・・・

ただ、攻撃に関してヤッヒーの修正力というのはただただ脱帽するしかないんだけども、守備に関して細かい指示というのはあまり出していないのかな、という印象はあった。こちらが例によってパトを裏に出して、川崎の最終ラインに裏を意識させながら下げさせ、かつ最初のラッシュが一段落してしまうと、こちらもボールを回せるようになったわけだけども、それはひとえに大久保と森島の元セレッソの2トップコンビが、こちらが鯔につけるパスコースをまともにケアしていなかったから。そうなればヤットだって中盤の底から自在に展開出来るようになって来るわけで、前半同点に追いついたゴールは万博ラウンドでの先制点を思わせるような片方のサイドでディフェンスを引きつけておいてから、阿部が流し込んだんだけども、これもこちらが右へ大きく中盤の底から展開出来たところが起点になっているわけで、川崎の2トップがさしてそこをケアしていないんよね・・・この二人がもし今でもセレッソに居たら、ユース監督は恐らく彼らを干しているかもしれないなw (と書いてしまう当たり私はやっぱりガンバサポですがねw)。まあ、それはともかく、試合後のコメントで大久保センセイはエラソーにチームメイトに説教するような調子で喋って居るけども、それを言うなら自分は守備が免除される程のスーパーな選手なんですか、って逆に聞きたいですけどもね。

流石に後半に入ると、パトが最初から大島を見るようになり、、かつこちらの両ボランチも積極的に前に出るようにはなった。まあ、後半最初の失点はその形が裏目に出たけども、そうした形に修正したからこそその後の守備は安定したとも言える。疲れが出ていた宇佐美に替わって大森が入ったけども、この交代によって秋が前線に上がり、パトに替わって入った佐藤と一緒にケンゴ・大島のコンビをしっかりと見ていた。サイドのクロスへの対応も落ち着くようになった。

そして、守備だけではく、見逃せないのはこちらがボールを保持している場合には割りと敵陣深い位置にまで運べており、追加点狙うぞ、という素振りを見せていた分だけ相手にも守備を意識させていたことだろう。まあ、これはこちらが後半もパトを裏に走らせて相手にカウンターを意識させたし、相手のファーストディフェンスが機能していない分だけ運べたからだけども。それによって、中盤が間延びしてしまっている分だけ、敵陣のボックス付近でもボール回しが出来て、その結果時間とエリアマネジメント(つまり、自陣のゴールよりも離れたところでプレーするという意味で)がしっかりと出来たわけでもある。

だからまあ、後半の失点も、こちらがやるべきことをやっていた上での失点だったし、ボックス付近での川崎が上手かったとも言えるわけで、失点で一番悔やまれるのは前半最後の失点だったかな、というところかな。等々力ラウンドは良くも悪くも、風間監督、というか川崎との試合だったってと言えるかもしれない。失点したのもこちらが得点出来たのも(阿部のゴールは確かに本人のシュート技術が秀でていたけども)、根本的には彼が志向するフットボールの方向性がもたらしたものだからだ。

こういうサッカーってウチらからすれば親しみは湧いてきますけどねw 確かに勝つためには内容を高めて行くってことは間違いない。けど、後世において、あの時のこのチームはいいサッカーやっていた、ということが語り継がれるには、最終的に結果を出さないといけないのも確かなわけです。そのためには自分たちの基本的な土台からどのような家を築き、最後どのような塗装をして仕上げるか?その仕上げにおいて何が足りなくて、その足りないものをどう埋めるか?川崎が今直面している問題かもしれないし、それをどう埋めて行くかは他サポながら興味深いところではある。

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